「枕を替えたのに、寝たきりの家族の肩がつらそう」「夕方になると足がパンパンにむくんでいる」。
そんなとき、枕とクッションの選び方で楽になることがあります。
今回は、肩や腕まで支えるポジショニング枕と、足のむくみ対策に使うエレベーティングピロー(足上げクッション)を、福祉用具専門相談員の目線で整理しました。
この記事でわかること
ポジショニング枕と足上げクッションの違い
それぞれ何を支えるものかがわかります
肩・腕まで支えると良い理由と対象の方
片麻痺・円背・拘縮などの方に向く理由がわかります
足の下にクッションを入れる効果と対象の方
むくみ対策やずれ落ち防止に役立つ場面がわかります
おすすめ商品を各3点
比較表と詳しい説明で選べます
🌟 まず試すならこの2点
肩・腕を支えるなら:アルファプラ SLEEPピロー クレッセントタイプ M
頭・首・肩をひとつの面で包む、ブーメラン形の枕。仰向けも横向きも使えます。
足のむくみ対策なら:はじめてのふくらはぎ枕
ふくらはぎ全体をふんわり包む足枕。4,000円前後で、Amazonの評価も4.3と高めです。
ポジショニング枕とエレベーティングピローとは
最初に、この記事での言葉の意味をそろえます。
ポジショニング枕:頭だけでなく肩・腕まで支える枕
一般的な枕が支えるのは、頭と首です。ポジショニング枕は、そこに肩(肩甲帯)や腕まで加えて、面で支える枕です。
ブーメランのようなカーブ形が多く、肩や腕の重みを預けて力を抜けるようになっています。
エレベーティングピロー:足を持ち上げて支えるクッション
エレベーティング(elevating)は「持ち上げる」という意味です。足を心臓に近い高さへ上げて支え、むくみの予防や対策に使います。
足裏だけでなく、ふくらはぎ全体をのせる形が中心です。かかとの除圧に使う足枕も同じ名前で呼ばれることがありますが、この記事では「足のむくみ」に絞ります。
なぜ肩・腕まで支えると良いのか
理由は大きく3つあります。
①肩甲帯が安定すると、上半身の力が抜ける
ポジショニングは、頭から足に向かって整えるのが基本です。頭は全身の動きを主導し、肩甲帯は腕と上半身の動きをコントロールするためです。
肩や腕が浮いたり落ちたりすると、体がねじれて緊張が入ります。肩・腕まで支えると、この緊張がゆるみやすくなります。
②点ではなく「面」で支えられる
枕を面で使い、触れる面積を広げると、筋緊張がやわらぎ、体圧も分散されます。
やせて骨が出ている方は、肩・肘・肩甲骨が当たりやすい部分です。面で受けることで、当たる痛みをやわらげられます。
③麻痺や拘縮があっても、楽な形を保てる
片麻痺の方は、麻痺側を下にした横向き(側臥位)が基本的にはOKとされています。そのとき枕は高めにして、肩を引き出すのがポイントです。
ただし、すでに肩に痛みがある、腕や足の拘縮が強い、感覚障害が重い場合は、横向きは60度までにとどめるとされています。
肩・腕まで支えた方が良い人
片麻痺の方(脳卒中後)
麻痺側の肩・腕は自分で動かしにくく、重みが肩にかかります。腕を預けられる枕が助けになります。
円背(背中が丸い)で仰向けがつらい方
頭が上がって反りが出やすく、苦しくて横向きになりがちです。頭から肩まで支えると、仰向けを保ちやすくなります。
腕・肘・指に拘縮がある方
曲がった腕を無理に伸ばさず、形に合わせて支えられます。ブーメラン形は腕や肘にフィットします。
やせて骨が出ている方・寝ている時間が長い方
肩や肘など骨の出た部分への負担を、面で支えて減らせます。
肩の重さで眠りにくい方
介護の場面だけでなく、横向き寝で肩が詰まる方にも使われています。
肩の痛みが強い、肩が外れかけている感じがある、拘縮が強い場合は、枕だけで判断せず、主治医や理学療法士・作業療法士に相談してください。
肩・腕を支える枕おすすめ3点
選ぶときは、肩まで届く大きさ、形が崩れにくいか、洗えるかを見ます。Amazonのレビュー件数も参考に、次の3点を選びました。
| 商品 | 形・サイズ | 価格目安 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| アルファプラ SLEEPピロー クレッセントM(タイカ) | ブーメラン形 幅44×長74cm | 約1.3万円 | 肩をふんわり包みたい方。軽度の方・ご家庭向け |
| ウェルピーHC ブーメラン(大)(タイカ) | ブーメラン形 幅50×長90cm | 約1.5万円 | 片麻痺・拘縮・円背など、しっかり支えたい方 |
| テンピュール オリジナルピロー | 一般的な枕型 S・M・L | 約1.2万円〜 | 自分で寝返りできる方。頭・首中心の枕 |
※価格はAmazonの表示価格の目安(2026年10月時点)です。
①アルファプラ SLEEPピロー クレッセントタイプ M/タイカ
医療・介護の現場でポジショニングクッションを作ってきたタイカの、一般向けの枕です。ブーメラン形で、頭・首・肩全体を包み込みます。
中の素材は「極小ビーズ」と「わた」。ビーズが体のラインにフィットし、わたが形を保ちます。仰向けにも横向きにも合います。
横向き寝のときは、肩から頭までを広い面でふんわり支えます。反対側の端を抱くように使うこともできます。
向く人:肩の重さで眠りにくい方、軽い円背の方、ご家庭で初めて試す方。
注意:本体は手洗いで、洗濯機・乾燥機は使えません。カバーは洗濯機で洗えます。
②ウェルピーHC ブーメラン(大)/タイカ
介護・看護の現場で使われるポジショニングクッションです。カーブした形が腕や肘にフィットし、仰向けでは頭と肩甲帯まで支えられます。
メーカーの使用例では、90度の横向きで体を支える、腕や足に拘縮がある方の体圧を分散する、車いすで上体を起こして緊張をゆるめる、といった使い方が紹介されています。
向く人:片麻痺や拘縮のある方、円背で仰向けがつらい方、長く寝ている時間が多い方。
注意:枕というよりクッションなので、頭の高さは別の枕で調整する使い方もあります。
③テンピュール オリジナルピロー
Amazonで6,000件を超えるレビューがある、定番の低反発枕です。頭から首筋にやさしくフィットし、仰向けにも横向きにも対応します。
肩や腕までは支えないので、前の2点とは役割が違います。自分で寝返りができ、頭と首の支えを良くしたい方向けです。
向く人:まず枕そのものを見直したい方。肩・腕の支えが必要な場合は、①②と組み合わせる方法もあります。
足の下にクッションを入れるとどう良いのか
足のむくみは「足のポンプ」不足で起こる
むくみは、本来は血管の中にある水分が血管の外に出て、皮膚の下にたまった状態です。いちばん多いのは足です。
足から心臓へ血液が戻るときは、重力に逆らいます。そのときポンプの役目をするのが足の筋肉です。長く立つ・座ることが多いと、足がむくみやすくなります。足の筋肉が少ない高齢者は、特にむくみやすいとされています。
足を上げると、血液が戻りやすくなる
横になると、足からの血流は水平になり、心臓に戻りやすくなります。夕方にむくんでも、翌朝に改善することが多いのはこのためです。
むくみの対策として、下肢挙上(足を上げる)、足首の運動、着圧ソックスが効果的な場合も多いと、病院のむくみ外来でも説明されています。足の下にクッションを入れるのは、この下肢挙上を寝たまま続けやすくする方法です。
ベッドの背上げでの「ずれ落ち防止」にも
電動ベッドの背もたれを上げると、体が足側へずり下がりやすくなります。太ももの下にクッションを挟むと、膝がゆるく曲がり、ずれ落ちにくくなります。むくみ対策と兼ねて使われることもあります。
むくみについては、こちらの記事もどうぞ。
足のむくみの予防策と治し方|浮腫みで靴下跡がくっきり…靴下選び
足の下クッションが向いている人
日中ずっと座っている・足を下ろしている方
車いすや椅子で過ごす時間が長いと、足のポンプが働かず、むくみやすくなります。
筋力が落ちて、足のポンプが弱い方
高齢の方や、あまり歩けない方に多い悩みです。
夕方に靴下の跡や、靴のきつさが気になる方
夜に足を上げて休む習慣づくりに向きます。
片麻痺で、麻痺側の足がむくむ方
動かしにくい足は、ポンプ作用が働きにくくなります。
背上げでずり下がる方
太もも下に入れて、ずれ落ちを防ぎます。
両足のむくみは心臓・腎臓など全身の病気が関係することがあります。片足だけ急にむくむ、痛み・熱感がある場合は、クッションで様子を見ずに受診してください。足の血流が悪い方は、足を上げてよいか医師に確認しましょう。
足のむくみ対策クッションおすすめ3点
今回は足のむくみに絞って選びました。見るポイントは、ふくらはぎ全体をのせられる幅、高さ(13〜17cm前後が中心)、つぶれにくさ、カバーが洗えるかです。
| 商品 | サイズ | 価格目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| はじめてのふくらはぎ枕(まくら株式会社) | 幅55×奥行56×高さ13〜17cm | 約4,000円 | ふんわり包む。初めての足枕に |
| マイまくら BIG足枕 55cm | 幅55×奥行56×高さ13〜17cm 約1.7kg | 約6,000円 | 大きめでボリューム。洗えるカバー付き |
| コジット のびのび 脚クッション | 46×57×16cm | Amazonは在庫切れ (10/4時点) | 曲線で脚に沿う。レビュー約390件 |
※価格はAmazonの表示価格の目安(2026年10月時点)です。
①はじめてのふくらはぎ枕
ふくらはぎ全体を、ふんわり包み込む足枕です。中身は粒わたで、やわらかい感触が特徴です。「はじめて足枕を使う方にもおすすめ」とされています。
サイズは幅55×奥行56×高さ13〜17cmで、価格は4,000円前後と手に取りやすい価格です。Amazonのレビューは約145件で、評価は4.3と高めです。
向く人:やわらかい使い心地が好きな方、価格を抑えたい方。
注意:カバーは付属しないため、必要なら別売りの専用カバーを用意します。手洗いで、乾燥機は使えません。
②マイまくら BIG足枕 55cm
膝の裏からふくらはぎ、足先までをまとめてのせられる、大きめの足枕です。中身はウレタンチップで、カバーは洗えます。
足枕としてだけでなく、腰当てや背当て、座布団にも使えます。Amazonのレビューは約290件です。
向く人:足をたっぷりのせたい方、ボリュームのあるものが好きな方。
注意:マットレスの端材を使うため、形や硬さに個体差があります。圧縮梱包で届くので、届いたらほぐして形を整えてください。
③コジット のびのび 脚クッション
脚の曲線に沿ってフィットする形で、脚全体を支えるクッションです。むくみ・疲れ対策として作られていて、整骨院の院長が監修しています。
サイズは46×57×16cm。クッション材はポリエチレンとウレタンフォームで、ほどよい硬さがあります。Amazonのレビューは約390件ありますが、2026年10月4日時点では在庫切れの表示でした。楽天など他店の取り扱いを確認してください。
向く人:まず1つ試したい方、膝下からふくらはぎを支えたい方。
注意:高さが16cmあるので、膝裏が突っ張らないか、最初は短時間で確認してください。
まとめ
ポジショニング枕は、頭・首に加えて肩や腕まで面で支え、力を抜いて寝られるようにする枕です。片麻痺・円背・拘縮のある方に向きます。
エレベーティングピローは、ふくらはぎ全体を支えて足を上げるクッションです。足のむくみ対策や、背上げ時のずれ落ち防止に使えます。
どちらも、痛み・強い拘縮・片足だけのむくみなどがあるときは、使う前に医師や専門職へ相談してください。


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