寝たきりの背中のムレ・あせも対策|エアーマットが蒸れる理由と、ファイバー素材パッド・送風マットおすすめ6選

ベッド
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寝たきりの人や、ベッドで過ごす時間が長い人は、背中のムレに悩まされやすくなります。エアーマットなど蒸れやすい素材のマットレスを使っていると、新陳代謝がよい人ほど汗をかいて、背中にあせもや発疹ができたり、暑くて夜眠れない日が続いたりします。

健康な人は、暑いと無意識に寝返りを打って、背中とマットレスを離します。ところが、寝返りが打てない人や、暑さに気づきにくい人は、そのまま不快な状態が続いてしまいます。本人が「暑い」と言えない場合は、周りが気づいて対策する必要があります。

この記事では、背中とマットレスのすき間に空気の通り道をつくる「ファイバー素材のパッド」と、それでも足りないときの「送風機能つきマット」を、現場の考え方にそって6点紹介します。

この記事でわかること
1
なぜ背中が蒸れるのか
寝返りできない人は、熱と湿気がこもり続ける
2
対策の順番
まず通気のよいファイバー素材、足りなければ送風
3
5商品の比較
レンタルできるもの・送風つきのもの
4
使うときの注意点
厚みの追加と、肌の赤みのサイン
🌟 まず検討したい1点
X-BALANCE RECOVER-LAY COOL(ピーエーエス)
通気のよいクロス構造に、空調服®のファンで風を送る機能を加えたオーバーレイ。蒸れが強い人に向いています。
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なぜ背中が蒸れるのか

背中は体重がかかり、マットレスと密着し続ける場所です。熱と湿気の逃げ場がなく、寝具の中に溜まります。

ここで知っておきたいのが「マイクロクライメット(皮膚の局所の温度・湿度)」という考え方です。褥瘡(床ずれ)の国際ガイドライン(2014年版)では、予防の項目に「マイクロクライメットの管理」が加わりました。体温が1℃上がると組織の代謝が約10%高まり、汗で皮膚がふやけると、バリア機能が下がって傷つきやすくなる、と説明されています。

対策の考え方|まず「背中とマットを離す」

いちばんの原因は、背中とマットレスがくっついていることです。体位変換で横向きにしても、体にあてたクッションがくっつくので、完全には離せません。

そこで、通気性の悪いマットレスと体のあいだに、繊維製(ファイバー)の通気のよいパッドを入れます。繊維が立体的に絡んだ素材は、直接肌に触れていても風が通りやすく、蒸れにくくなります。これが最初の対策(STEP1)です。

STEP1でも蒸れが軽くならないときは、風を送り出す機能のあるマットを追加します(STEP2)。自然な風を待たずに、常に空気を動かせます。

マットレスのムレを軽減するオーバーレイマットレス
STEP1 通気のよいファイバー素材のパッドを、マットレスと体の間に入れる
STEP2 それでも蒸れるなら、送風つきのマットを足す

商品の比較表

スマホでは表を左右にスクロールできます。価格は2026年10月時点の目安です。介護保険でのレンタルは、床ずれ防止用具として原則は要介護2以上です。

段階商品仕組みサイズ価格目安介護保険レンタル購入
STEP1ハッピーそよかぜポリエステル繊維の立体構造83/91cm幅×192cm×厚さ3cm約4.5〜6.6万円可(原則 要介護2以上)
STEP1床ずれナース ベッドパッド(黒田)立体素材「フュージョン」の3層構造85cm幅×190cm×厚さ2cm(93・100cm幅もあり)約2.9〜3.7万円可(原則 要介護2以上)
STEP1ピュアライフ エアーパッド(岡部商事)ポリエステル立体編物+ヤシガラ活性炭91cm幅×195cm×厚さ1.5cm約2.5〜3.1万円可(原則 要介護2以上)
STEP2快眠マット SOYO AX-BS632(アテックス)小型ファンでマット内の空気を動かす90×190×厚さ7.8cm29,700円(カバー別売)対象外
STEP2快眠マット SOYO AX-BSA629S(アテックス)ファン2個・手元で操作できるコントローラー91×190×厚さ8.5cm49,800円(カバー付き)対象外
STEP2X-BALANCE RECOVER-LAY COOL(ピーエーエス)クロス構造+空調服®のファン98×220×厚さ3cm49,500円可(原則 要介護2以上)

STEP1|ファイバー素材で空気の通り道をつくる

① ハッピーそよかぜ(ハッピーおがわ)

ポリエステル繊維でできた、洗えて乾きやすいオーバーレイです。もともとは褥瘡予防を目的につくられた商品で、通気性がよく、厚さ3cmと薄いのが特長です。サイズは幅83cmと91cm(長さ192cm)があります。

② 床ずれナース ベッドパッド(黒田)

ナイロンとポリエステルの立体素材「フュージョン」を3層にした、厚さ2cmのベッドパッドです。大きな空気層で通気し、熱をにがすことを狙った構造です。幅は85cm・93cm・100cmがあり、83cm幅や91cm幅の介護ベッドにもフィットします。

エアーマットに敷いて蒸れ対策に使う事例が、販売店のセミナーでも紹介されています。

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③ ピュアライフ エアーパッド(岡部商事)

ポリエステルの立体編物に、制菌綿とヤシガラ活性炭を組み合わせた、厚さ1.5cmのパッドです。3商品の中でいちばん薄く、重さも約2.5kg(91cm幅)と軽めです。価格は3商品の中ではいちばん手が届きやすい価格です。

厚さ2.5cmで体圧分散を強めた上位モデル「EX-W」(約3.7〜4.8万円)もあります。

この3商品は、どれも「背中との間に空気の通り道をつくって、ムレを軽減する」という同じ考え方の商品です。

STEP2|風を送り出す機能をプラスする

④ 快眠マット SOYO AX-BS632(アテックス)

足元の小型ファンで、マットの内部に風を通すタイプです。電源はコンセントで、消費電力は1.6Wと小さく、風量は強・弱の切り替えと自動運転ができます。タイマーは6・9・12時間から選べます。

カバーは別売で、専用シーツが必要です。厚さは約7.8cmあり、重さは約4kgです。メーカーは、室温が高すぎると十分な効果が出ない場合があるため、エアコンとの併用をすすめています。ファンが2個の上位モデルは、次に紹介します。

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⑤ 快眠マット SOYO AX-BSA629S(アテックス)|ファン2個の上位モデル

AX-BS632の上位モデルです。ファンが足元の両サイドに2個ついていて、カバーが付属し、手元で操作できるコントローラーがついています。足元まで行かずにベッドの上から風量を変えられるのは、介助する側にも便利な点です。

サイズは約91×190×厚さ8.5cm、重さは約5kgで、消費電力は5.2Wです。風量が足りないと感じる人や、体の大きい人向けです。AX-BS632と同じく、厚みがあるのでサイドレールの高さに注意してください。

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⑥ X-BALANCE RECOVER-LAY COOL(ピーエーエス)

腰痛マットレスの記事でも紹介した RECOVER-LAY に、空調服®の送風ファンを組み合わせたモデルです。作業療法士が設計したクロス構造と、通気のよい素材に、空気を送る力が加わります。サイズは約98×220×厚さ3cm、重さは約4.6kgです。

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専門員の一言|道具だけに頼らず、ケアと組み合わせて
蒸れ対策は、道具とケアの両方で行います。汗をかいたらすぐに拭く、シーツや寝衣が湿ったら替える、体位変換で背中を空気にさらす。これらが基本です。

背中の赤みが、押しても消えないときは褥瘡の初期のサインです。あせもと思い込まず、早めに看護師や医師に相談してください。発疹の原因は蒸れ以外のこともあります。
使う前に確認すること
・厚みを足すと、サイドレールが相対的に低くなります。乗り越えや転落につながるので、特に厚いSOYO(約7.8cm)は注意してください(メーカーの取扱説明書にも同様の注意があります)。
・エアーマットの上に重ねる場合は、体圧分散の効果や安定性が変わることがあります。重ねてよいかは、メーカーか担当の福祉用具専門相談員に確認してください。
・背上げ・脚上げをするベッドで使えるかは、商品ごとの取扱説明書で確認してください。
・レンタルの可否と条件は、要介護度・ベッドの状況・事業所で異なります。ケアマネジャーにご相談ください。

まとめ

・寝返りできない人は、熱と湿気が背中にこもり続ける
・褥瘡予防では「皮膚の温度・湿度の管理」も重視されている
・STEP1:ファイバー素材のパッドで、背中との間に空気の通り道をつくる
・STEP2:それでも蒸れるなら、送風つきのマットを足す
・介護保険でのレンタルも可能(床ずれ防止用具。原則は要介護2以上)
・厚みを足すと柵が低くなる。肌の赤みは早めに相談する
参考情報
・NPUAP/EPUAP/PPPIA 褥瘡の予防と治療 臨床ガイドライン(2014年版)。ディアケア「体圧管理とマイクロクライメット」(田中マキ子 編集・執筆)の解説による。
・各メーカー公式ページ(アテックス、黒田、岡部商事、ハッピーおがわ、ピーエーエス)、販売店の掲載情報。価格・仕様は2026年10月時点で、変更される場合があります。
・介護ベッドの取扱説明書(サイドレールの高さに関する注意)。

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