男性の尿漏れ対策|尿瓶だけじゃない選択肢を介護職が段階別に解説

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「最近、トイレの後にパンツが濡れている」
「くしゃみをしたら、少し出てしまった」
「外出先でトイレが間に合わなかった」

こうした尿漏れの悩みを抱えている男性は、実はとても多いです。40代以降の男性の約3人に1人が経験していると言われています。

でも、男性は排泄の悩みを人に話したがりません。介護の現場でも、尿漏れの支援を提案しても「自分はまだ大丈夫」「おむつなんて使いたくない」と拒否されるケースが少なくありません。

この記事では、福祉用具専門相談員として多くの男性の排泄支援に関わってきた経験から、「おむつの前にできること」を段階別に整理してお伝えします。

尿瓶を使うだけが対策ではありません。ちょい漏れから長時間の対応まで、あなたの状態に合った方法が必ずあります。

この記事でわかること

1

尿漏れの量に合わせた4段階の対策

ちょい漏れ→軽い漏れ→1回分漏れ→長時間対応。段階別に最適な方法を整理します。

2

各段階のおすすめ商品と選び方

軽失禁パンツ・尿漏れパッド・紙パンツ・集尿器を現場目線で紹介します。

3

「おむつはまだ早い」と感じている方へ

おむつの前にできることはたくさんあります。人に相談しにくい悩みだからこそ、この記事で。

介護職が選ぶ 残尿・ちょい漏れ対策の1枚

モレナクリーン 軽失禁パンツ(男性用)

見た目は普通のボクサーパンツ。吸収体内蔵で150ml対応。綿95%で肌触り良好。
温泉や更衣室でも気づかれない。パッドを付けるのに抵抗がある方の第一歩に。

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① なぜ男性は尿漏れの相談をしにくいのか

介護の現場で感じることですが、女性に比べて男性は排泄の悩みを極端に話しにくいようです。

「男なのに漏らすなんて」という気持ちがあるのだと思います。ご本人だけでなく、ご家族(特に奥様や娘さん)から相談を受けることの方がずっと多いです。

パッドを勧めても「そんなものは使わない」と断られることもあります。でも、選択肢を知らないだけで、実は「これならいいかも」と思えるものがあります。

この記事では、おむつ感のない対策から順番に紹介していきます。「おむつ」の話は最後まで出てきませんので、安心して読んでください。

② まず知ってほしい|尿漏れは「段階」で対策が変わる

尿漏れの対策は「量」と「頻度」で変わります。すべての人に同じ対策は当てはまりません。

まず、自分がどの段階にいるかを確認してください。

段階 症状の目安 おすすめの対策 商品例
①ちょい漏れ
〜50cc程度
トイレ後にパンツが濡れる
残尿が出し切れない
軽失禁パンツ
防水スプレー
モレナクリーン
グンゼ尿ジミ対応
②軽い漏れ
50〜250cc
くしゃみ・力み時に漏れる
少量を数回漏らす
軽失禁用パッド
+自分の下着
ライフリー さわやかパッド
ポイズ メンズパッド
③1回分漏れる
250cc〜
トイレが間に合わない
1回分まるまる出てしまう
薄型紙パンツ
+専用パッド
ライフリー うす型軽快パンツ
④長時間対応 数時間トイレに行けない
仕事中・移動中に不安
集尿器 Mr.ユリナー

※ccの目安:大さじ1杯=約15cc、コップ1杯=約200cc

③ ちょい漏れ(残尿)対策

「尿を出し切ったはずなのに、ズボンに戻した後にジワッと出てくる」

これは「残尿」と呼ばれる症状で、特に50代以降の男性に非常に多いです。量としては数cc〜50cc程度。パンツにシミができる程度ですが、本人にとってはかなり気になります。

下着の内側に防水スプレーをかける

一番手軽な方法です。手持ちの下着の内側(前面の肌に当たる部分)に、衣類用の防水スプレーをかけるだけ。

これだけで、残尿がパンツを通り抜けてズボンまで濡れるのを防げます。撥水効果は洗濯のたびに落ちるので、適度にスプレーし直す必要がありますが、「何も買い足したくない」という方への第一歩としてはおすすめです。

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以前は尿シミ防止スプレーが販売されていたのですが、販売停止に…。
そのため、脇汗シミ防止のスプレーで代用しています。

軽失禁パンツ(吸収体内蔵タイプ)

見た目は普通のボクサーパンツですが、内側に吸収体が縫い込まれています。パッドを付ける必要がなく、そのまま履くだけで対策できます。

温泉やジムの更衣室で脱いでも気づかれにくいのが最大のメリット。綿素材のものを選べば通気性も良く、普通の下着と変わらない履き心地です。

吸収量は商品によって50〜150cc程度まで対応しています。残尿レベルなら十分な量です。洗濯して繰り返し使えるので、使い捨てパッドよりランニングコストは抑えられます。

介護職として伝えたいこと

現場で尿漏れ対策を提案しても「パッドは嫌だ」と断られることが多いです。でも、軽失禁パンツなら「ただの下着を替えるだけ」なので、受け入れてもらいやすい。

モレナクリーンは綿95%で肌触りが良く、150mlまで吸収可能。見た目も普通のボクサーパンツそのものです。

④ 軽い漏れ(少量〜中量)対策

残尿ではなく、くしゃみや力んだとき、あるいは急な尿意に少し間に合わなかったとき——50〜250cc程度の漏れがある場合は、軽失禁用パッドがおすすめです。

軽失禁用パッド

軽失禁用パッドは、自分が持っている下着の内側に貼り付けて使う、使い捨てタイプの吸収パッドです。

女性用の生理用ナプキンに近い仕組みですが、男性用は排尿位置に合わせて前方が広い逆三角形の形をしています。この形状が重要で、女性用パッドを男性が使うとカバーしきれず横漏れの原因になります。男性は必ず男性用を選んでください。

軽失禁パッドの良いところは3つあります。

・1回分が個包装されていて、ポケットに入れて持ち運べる
・自分の下着に付けるので、紙パンツに比べて通気性が良い
・外から見ても下着しか見えないので、見た目が普通

吸収量は20cc〜250cc程度まで幅広く用意されているので、自分の漏れの量に合わせて選べます。

数ある男性用パッドの中で、私が一番おすすめしやすいのがライフリーの「さわやかパッド 男性用」です。

理由は逆三角形の形状にあります。前方が広く、しっかり広範囲をカバーできるので、パッドがズレても漏れにくい設計になっています。多くの体型の男性に合いやすく、「とりあえずこれを試してみてください」と言いやすい商品です。

吸収量は少量用(10cc)から多量用(250cc)まで幅広く展開されていて、今の段階に合ったものを選べます。

まだパッドを使ったことがない方は、少量用(20cc)から試して、足りなければ段階的に上げるのがおすすめです。

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パッドが使える下着・使えない下着

軽失禁パッドを使うには、パッドを固定できるフィット感のある下着が必要です。

・ボクサーパンツ → ◎ 最も相性が良い。パッドがしっかり固定される
・ブリーフ → ○ ぴったりフィットしているものなら使える。伸びきった古いブリーフは×
・トランクス → × パッドが固定できない。使えません

トランクスを履いている方は、パッドを使いたいなら下着をボクサーに替える必要があります。ここが意外とハードルになることがありますが、最近のボクサーパンツは柔らかくて締め付け感が少ないものも多いです。

⑤ 1回分まるまる漏れる場合の対策

軽失禁パッドの最大吸収量(250cc程度)では足りなくなったら、紙パンツへの移行を考えて良い段階です。

「紙パンツ=おむつ」というイメージがあるかもしれませんが、最近の薄型紙パンツは本当に薄くて、ズボンの上からはまったくわかりません。

紙パンツ

紙パンツを選ぶなら、必ず「薄型」を選んでください。

通常の紙パンツはゴワゴワして動きにくく、見た目にも響きやすいです。一方で薄型の紙パンツは、普通の下着とほぼ変わらない厚みで、動きやすさも確保されています。

コスパに関しては、紙パンツの方が軽失禁パッドよりコスパが良い場合もあります。パッドを1日に何枚も使うなら、紙パンツ1枚で済む方が安くなるケースもあるので、一概にどちらが良いとは言えません。

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紙パンツ専用パッドとの併用

紙パンツの中にパッドを入れて使う方法もあります。

紙パンツはパッドを押さえる、パッドは尿を吸収する、という役割分担。少量の漏れならパッドだけ交換すれば紙パンツはそのまま使えるので、コスト・手間の両面で効率が良いです。

ただし、この場合は「紙パンツ専用パッド」を使ってください。軽失禁用パッドは紙パンツとの併用を想定していないため、固定がうまくいかず横漏れの原因になります。

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介護職からのアドバイス

紙おむつの選び方は「サイズ×吸収量×パッドの組み合わせ」で非常に複雑です。ドラッグストアの棚の前で迷っている方を何度も見てきました。

迷ったら、薬局の店員さんや、このブログの無料相談を活用してください。「今の状態に合ったもの」を一緒に考えます。

⑥ 長時間トイレに行けない場合の対策

「仕事中に何度もトイレに立てない」「長距離の移動がある」「山登りやゴルフでトイレがない」

こうした場面では、おむつよりも集尿器という選択肢があります。

集尿器(Mr.ユリナー)

Mr.ユリナーは、ズボンの中に装着する男性用の集尿器です。ファスナーの開口部からレシーバー(受尿部)を入れて、クリップで衣服に固定するだけ。

尿はチューブを通じて脚に付けたボトル(250ml / 350ml)に溜まります。トイレに行けるときにボトルの中身を捨てるだけです。

おむつとの最大の違いは、肌に尿が長時間触れないこと。おむつは排尿後の尿が肌に密着し続けるため、長時間使うと蒸れや皮膚トラブル(かゆみ・ただれ)の原因になります。集尿器なら尿は即座にボトルへ流れるため、不快感がほとんどありません。

実際に、病院の先生、ガードマン、長距離ドライバー、登山をされる方など、長時間トイレに行けない環境で仕事や活動をする方が、おむつではなく集尿器を選んでいます。

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おむつより集尿器が向いている人

・体は元気で、トイレに行く能力はあるが、環境的に行けない場面がある
・おむつの蒸れや皮膚トラブルに悩んでいる
・排尿後の「ジメジメ感」が嫌
・使い捨てパッド・おむつのゴミとコストを減らしたい

集尿器は洗って繰り返し使えるため、ランニングコストはほぼゼロ。初期費用(約¥12,000〜)はかかりますが、パッド代を考えると数ヶ月で元が取れます。

また、Mr.ユリナーは厚生労働省の日常生活用具給付等事業の対象品です。障害者手帳をお持ちの方は、お住まいの市町村に問い合わせると給付を受けられる場合があります。

⑦ 「おむつ」は最後の手段ではない——でも急がなくていい

この記事では意図的に「おむつ」という言葉をあまり使わずに書きました。

それは、多くの男性にとって「おむつ」という言葉そのものが心理的なハードルになっているからです。「おむつをするくらいなら我慢する」と、何も対策しないまま過ごしてしまう方が少なくありません。

でも、我慢した結果、外出を控えるようになったり、水分を摂らなくなったり、人付き合いを避けるようになったりする。それは健康面でも精神面でも良くない方向です。

おむつは「終わり」ではありません。でも、おむつの前にできることはたくさんあります。

下着に防水スプレーをかけるだけでもいい。軽失禁パンツに替えるだけでもいい。パッドを1枚試してみるだけでもいい。

まずは、「何かひとつ試してみる」ことが、尿漏れの悩みから解放される第一歩です。

まとめ

男性の尿漏れ対策は、量と頻度に合わせて段階的に選ぶことが大切です。

・ちょい漏れ(残尿)→ 防水スプレー or 軽失禁パンツ(モレナクリーン)
・軽い漏れ → 軽失禁用パッド(ライフリー さわやかパッド 男性用)
・1回分漏れる → 薄型紙パンツ + 専用パッド
・長時間対応 → 集尿器(Mr.ユリナー)

「おむつ」の前にできることはたくさんあります。人に相談しにくい悩みだからこそ、まずは自分で試せるものから始めてみてください。

困ったら相談を!

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