おむつから軟便・水様便が漏れてしまう|福祉用具専門相談員が教える3つの対策

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この記事でわかること

1おむつから軟便・水様便が漏れる理由——おむつは尿を吸収する設計のため、便への対応には限界があります。

2漏れを軽減する3つの対策——スキンクリーンコットンSCC・リフレのシート・アテント軟便パッド、それぞれの使い方と違いを解説。

3おむつ以外の根本的な解決策——薬での便コントロールという選択肢も紹介します。

「おむつをしているのに、軟便が漏れてしまう」

こういった相談は、在宅介護の現場でも非常に多くあります。

おむつは尿を吸収するために作られた用品です。軟便・水様便への対応は、おむつの設計上、根本的に難しいという前提があります。「もっと大きなおむつに変えれば漏れない」「パッドを増やせばいい」というものではありません。

この記事では、おむつフィッター1級の資格を持つ福祉用具専門相談員として、現場で実際に使ってきた3つの対策を紹介します。完全に漏れをゼロにすることは難しいですが、漏れを大幅に軽減できる方法があります。

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なぜおむつから軟便・水様便が漏れるのか

おむつ・パッドが尿を吸収する仕組みは「表面のシートを尿が通過し、中の吸収材に蓄える」というものです。

水様便がパッドの上に乗ると、便の固形成分がシート表面に残り、尿の通り道を塞いでしまいます(目詰まり)。その状態でさらに排尿すると、吸収できずにそのまま横に流れ出て漏れてしまいます。

つまり、軟便・水様便の漏れの多くは「便による目詰まり→尿の逃げ場がなくなる」という連鎖で起きています。

また、便はアルカリ性が非常に強いため、皮膚への刺激が大きく、交換が遅れると皮膚トラブルや床ずれ(褥瘡)の原因になります。できる限り早めの交換が基本ですが、夜間や介助者が来るまでの間、どうしても交換できない時間帯があるのも現実です。

⚠ 3つの対策を使う前に知っておいてほしいこと
これから紹介する3つの対策は、いずれも「軟便・水様便を完全に閉じ込める」ものではありません。ろ過の仕組みを使って、便の固形成分を上に留め、尿だけを下のパッドに吸収させることで、漏れを軽減するものです。効果には個人差があります。

② 漏れを軽減する3つの対策

3つの対策はすべて「目的は同じ」です。

パッドの上に一層かませることで、水様便の固形成分を上に残し、尿だけを下のパッドに通す——「ろ過」の原理を使っています。

3つの違いは「素材・入手方法・コスト」です。

スキンクリーン
コットンSCC
リフレ
軟便モレを防ぐシート
アテント
軟便も安心パッド
素材 制菌ポリエステル綿 専用シート パッド一体型
使い方 ちぎってお肌と
パッドの間に挟む
パッドの上に
重ねて敷く
通常パッドの
代わりに使う
コスト感 1箱10枚入り・¥3,388
1回1/8枚使用で80回分
使い切りシート 通常パッドより
やや高め
入手方法 通販・介護用品店 通販・介護用品店 ドラッグストア
通販
こんな方に コスト重視・
量を調整したい
手軽に試したい シンプルに
まとめたい

対策① スキンクリーンコットンSCC(KOYO・オンリーワンケア)

「失禁専用」として販売されている制菌ポリエステル綿のシートです。1箱10枚入りで、必要な量だけちぎって使います。使い捨てです。

メーカーの推奨使用量は1回あたり1枚の1/3ですが、1/8程度でも十分に機能します。

【使い方】
お肌とおむつ(パッド)の間に敷くように挟みます。お尻の下にシートを広げ、その上からパッドを装着するイメージです。

お肌に直接触れることで、水様便と尿をすばやくパッドに移行させ、お肌を乾燥した状態に保ちます。皮膚トラブルの予防にもなります。

1箱10枚入りで、1/8ずつ使えば1箱で80回分以上使えます。コストパフォーマンスが良く、量を自分で調整できる点が使いやすい商品です。

💬 専門員のひとこと
「ただ置くだけ」というシンプルさが現場で使いやすい理由です。固定する必要がないので、介助者が交換するときも、コットンをそのまま取り外すだけ。ドラッグストアでは見かけないことが多いですが、通販では購入できます。
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対策② リフレ 軟便モレを防ぐシート(リブドゥコーポレーション)

パッドの上に重ねて敷くだけの専用シートです。スキンクリーンコットンSCCと仕組みは同じ(ろ過の原理)ですが、シート状に加工されているため扱いやすいのが特徴です。

【使い方】
いつも使っているパッドの上に、このシートを重ねて敷いてから装着するだけです。コットンをちぎる手間がなく、「置くだけ」で完結します。

追加の道具なし・特別な手順なしで始められるため、「まず試してみたい」方の入門として向いています。リフレはドラッグストアや通販で見かけることが多いブランドなので、入手しやすいのも利点です。

💬 専門員のひとこと
「とにかく試してみたい」という方にはこれが一番取り掛かりやすいです。シート状なのでちぎる手間がなく、置くだけで使えます。まずここから始めてみて、自分の状況に合うかどうか確認するのがおすすめです。
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対策③ アテント 軟便も安心パッド(大王製紙)

通常のパッドの代わりに使う、軟便対応専用パッドです。パッド自体にろ過機能が組み込まれており、別途シートを用意する必要がありません。

【使い方】
いつも使っているパッドをこれに交換するだけです。おむつ(パンツ型またはテープ型)にこのパッドを組み合わせて装着します。

「パッドとシートを2枚重ねるのが面倒」「管理するものを増やしたくない」という方に向いています。ドラッグストアや通販で購入でき、アテントブランドなので入手しやすい商品です。

通常のパッドより価格がやや高めですが、パッドとシートを別々に買うコストと比較してみてください。

💬 専門員のひとこと
「パッドとシートの2枚管理が煩雑」という介護者の方には、このパッド1枚で完結するタイプがストレスなく使えます。シートを忘れて装着してしまうミスもなくなります。
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③ おむつでの対策に限界を感じたら|根本的な解決策

3つの対策は「漏れを軽減する」ものであって、完全に解決するものではありません。

もし軟便・水様便が頻繁に続いている場合、おむつの工夫で対処しようとするより、排便そのものをコントロールする方が根本的な解決につながります。

担当の看護師や薬剤師に相談して、排便のタイミングを整える薬を検討してみてください。たとえば、「毎朝ヘルパーさんが来る前に排便が終わるようにする」といったコントロールができると、介護の負担が大幅に減ります。

また、下痢が続いている場合は、食事内容・水分量・服用している薬の副作用など、別の原因が隠れていることもあります。かかりつけ医への相談も検討してください。

💬 専門員のひとこと
排泄のコントロールは、本人の生活の質にも直結します。「おむつでなんとかする」という発想から「排便のタイミングを整える」という発想に切り替えると、介護する側もされる側も楽になることがあります。一人で抱え込まず、医療職に相談することを遠慮しないでください。

④ よくある質問

Q. 3つの対策、どれから試せばいいですか?

まずは一番手軽に始められる「リフレ 軟便モレを防ぐシート」か「アテント 軟便も安心パッド」がおすすめです。

コストを抑えながら量を調整したい方は「スキンクリーンコットンSCC」が向いています。
どれが合うかは個人差があるため、1〜2週間試してみて判断してください。

Q. スキンクリーンコットンはどこで買えますか?

ドラッグストアではほとんど見かけません。通販(Amazon・楽天)か、介護用品専門店での購入が現実的です。「スキンクリーンコットン SCC」で検索してください。

Q. 3つを組み合わせて使ってもいいですか?

仕組みがすべて同じ(ろ過の原理)なので、組み合わせても意味は同じです。どれか1つを選んで使えば十分です。

Q. 固形便でも同じ対策が使えますか?

固形便の場合はこの対策は必要ありません。これらの対策は水様便・軟便の「液体に近い便」が漏れる場合に有効です。固形便であれば、排便後にすぐ交換することが最も大切です。

まとめ

✔ おむつは尿を吸収するための用品。便への対応は構造上限界がある
✔ 軟便漏れの多くは「便による目詰まり→尿が漏れる」という連鎖が原因
✔ 対策は「ろ過の原理」——パッドの上に一層かませて便の固形成分を上に留める
✔ まず試したい方 → リフレ 軟便モレを防ぐシート or アテント 軟便も安心パッド
✔ コスト重視・量を調整したい方 → スキンクリーンコットンSCC(1/8程度使用でOK)
✔ おむつでの対策に限界を感じたら → 看護師・薬剤師に排便コントロールの薬を相談

「漏れてしまうのは仕方ない」とあきらめる前に、ぜひ一度これらの対策を試してみてください。

それでも改善しない場合は、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員、看護師に相談してください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。

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