この記事でわかること
靴下が履きにくくなる原因と、ソックスエイドの仕組み
「かがめない」「足に届かない」を解決する自助具の基本を解説します。
おすすめのソックスエイド4選と選び方
550円のお試し品から手を使わず履ける上位モデルまで、段階別に紹介します。
使い方のコツと、向いている靴下・向いていない靴下
現場で教えている使い方のポイントをお伝えします。
介護職が選ぶ 定番の1つ
ソックスエイド 先割れタイプ(アビリティーズ・ケアネット)
椅子に座ったまま靴下が履ける。先割れタイプで靴下の着脱が簡単。内側は滑りやすく外側は滑りにくい布で足の出し入れがスムーズ。
現場で最もよく出しているソックスエイドです。
「腰が痛くて靴下が履けない」
「お腹が出てきて足に手が届かない」
「膝が曲がらなくて、かがむのがつらい」
靴下を履く——たったこれだけの動作が、体の変化でできなくなることがあります。
毎朝の着替えで一番困るのが靴下だった、という方は実はとても多いです。福祉用具の相談でも「靴下が履けなくなった」は定番のお悩みです。
この記事では、「ソックスエイド」という靴下を履くための自助具について、使い方・選び方・おすすめ商品を福祉用具専門相談員の立場から解説します。
一番安いもので550円。試してダメでも痛くない金額です。
目次
① なぜ靴下が履けなくなるのか
靴下を履くには、意外と多くの動作が必要です。
・腰を曲げる(前かがみになる)
・膝を曲げる
・足先まで手を届かせる
・指で靴下の口を広げる
・つま先を入れて引き上げる
このうち「腰を曲げる」「足に手を届かせる」のどちらかができなくなると、靴下が履けなくなります。
よくある原因はこのあたりです。
・腰痛やぎっくり腰で前かがみがつらい
・膝の痛みや手術後で膝が曲がらない
・股関節の手術後で深く曲げてはいけない(脱臼肢位の制限)
・お腹が出てきて物理的に手が届かない
・片麻痺で片手しか使えない
・リウマチで指の力が弱く、靴下の口を広げられない
「歩くのは大丈夫なのに、靴下だけが履けない」という方は少なくありません。この悩みを解決するのが、ソックスエイドです。
② ソックスエイドとは?
ソックスエイドは、かがまずに靴下を履くための自助具です。
仕組みはシンプルです。本体に靴下をかぶせて足元に置き、足先を入れたら紐(またはハンドル)を引っ張るだけ。靴下が足にスーッと上がってきます。
「かがむ」「足を持ち上げる」という動作がゼロになるのがポイントです。椅子に座ったまま、背筋を伸ばした姿勢で靴下が履けます。
タイプは大きく分けて3種類あります。
・布タイプ:柔らかくて軽い。紐を引っ張って使う。安価。
・プラスチック(先割れ)タイプ:型がしっかりしていて靴下のセットが楽。一番定番。
・フレームタイプ:椅子の脚に固定して使う。手を使わなくても履ける。
どれを選ぶかは「どの動作が一番つらいか」で決まります。次のセクションで使い方を説明した後、おすすめ4商品を紹介します。
③ ソックスエイドの使い方(3ステップ)
基本の使い方は3ステップです。どのタイプでも流れは同じです。
【ステップ1】本体に靴下をかぶせる
ソックスエイドの本体を丸めて(またはそのまま)靴下の中に差し込み、靴下の口が本体の上端にくるようにセットします。
【ステップ2】足元に置いて足を入れる
椅子に座った状態で、ソックスエイドを床に置きます。つま先を本体の中に入れます。
【ステップ3】紐を引いて靴下を引き上げる
紐(またはハンドル)を両手で持ち、ゆっくり引き上げます。本体が足から抜けて、靴下だけが足に残ります。
慣れるまでは5〜10回くらい練習が必要です。コツは「靴下のかかと部分を手前に向けてセットすること」と「紐を真上ではなく少し手前に引くこと」です。
最初は履き口がゆるめの靴下や、短い靴下で練習すると成功しやすくなります。

④ おすすめのソックスエイド4選
現場でよく出している4商品を、「試しやすい順」に紹介します。
ソックスサポート(ファイン)——まず試したい方に
¥550と驚きの安さ。「ソックスエイドってどんなものか、まず試してみたい」という方にぴったりの入門モデルです。
布タイプで、本体に靴下をかぶせて紐を引っ張る方式。軽くて小さいので持ち運びにも便利です。
ただし布タイプは型が柔らかいため、靴下をセットするのに少しコツが要ります。床に座って足を伸ばした状態で使うのが一番やりやすいので、床からの立ち上がりができる方に向いています。
椅子に座った状態で使いたい方は、次のプラスチックタイプの方が使いやすいです。
・価格:約¥550
・タイプ:布タイプ
・使い方:床座り向き
・こんな方に:まず試したい方、床からの立ち上がりができる方
ソックスエイド 先割れタイプ(アビリティーズ・ケアネット)——定番
これが一番よく出すソックスエイドです。プラスチック製で型がしっかりしているため、靴下をセットするのが楽です。
先端が3つに割れている「先割れタイプ」なので、靴下の抜き差しが簡単。内側はすべりの良い布、外側はすべりにくい布で覆われているため、足を入れたときにスムーズに滑り、同時に靴下はズレにくい設計です。
紐の長さが約70cmあるので、椅子に座った状態でも無理なく引っ張れます。椅子に座って靴下を履く方には、このタイプが一番おすすめです。
お腹が出て前かがみになれない方、腰痛で前屈できない方にも向いています。重さ約100gと軽量です。
・価格:約¥1,500〜2,000
・タイプ:プラスチック(先割れ)タイプ
・使い方:椅子座り向き
・こんな方に:椅子に座って履きたい方、腰痛・お腹が出ている方、片麻痺の方
ソッキー(アビリティーズ)——手を使わず履ける最上級
ソックスエイドの最上級モデルです。椅子の脚に引っかけて固定するフレームタイプで、手を使わなくても靴下が履けます。
使い方は、フレームに靴下をセットして椅子の脚に固定 → 足をフレームに入れる → 足を引き上げるだけ。紐を引っ張る動作すら不要なので、手の力が弱い方や、片手でも操作しやすいです。
さらに、靴下を脱ぐとき・靴を脱ぐときにも使える靴べら付き。「履く・脱ぐ」の両方をサポートしてくれます。
椅子に座る → 足を入れる → 立ち上がる、だけで靴下が履ける。これは本当に「自分でできた」という実感があります。
注意点として、ナイロン製の薄い靴下やストッキング、長さ約25cm以上のロングソックスには使えません。
・価格:約¥4,000〜5,000
・タイプ:フレーム(椅子固定)タイプ
・使い方:椅子の脚に固定
・こんな方に:手の力も弱い方、紐を引っ張るのがつらい方、最も楽に履きたい方
・サイズ:M(22〜24cm)/ L(24.5〜28cm)
※むくみがある方はLサイズ推奨
イージースライド(シグバリス)——着圧ソックス・弾性ストッキング専用
着圧ソックスや弾性ストッキングは生地が硬く、通常のソックスエイドでは履けません。イージースライドは、この「硬くて履けない」を解決する専用の装着補助具です。
仕組みは、特殊な滑りやすい素材でできた筒を先に足に通しておき、その上からストッキングを履くというもの。素材と肌の間の摩擦がほぼゼロになるため、強い圧迫力のストッキングでもスーッと上がります。
履いた後にイージースライドを引き抜くだけなので、力がいりません。介助者が履かせる場合の負担も大幅に減ります。
正しく使えば6ヶ月以上効果が持続し、エタノール消毒や水洗い(30℃以下・中性洗剤)も可能。軽くてかさばらないので旅行にも持っていけます。
むくみ予防で着圧ソックスを毎日履いている方、下肢静脈瘤で弾性ストッキングを処方されている方には、これがないと毎朝の着用が本当に大変です。
・価格:約¥3,000〜4,000
・タイプ:スライド式(摩擦低減)
・対応:弾性ストッキング全般(つま先あり用・つま先なし用あり)
・こんな方に:着圧ソックス・弾性ストッキングを毎日履く方
【4商品比較表】
| 商品名 | 価格 | タイプ | 使う姿勢 | 手の力 | こんな方向け |
|---|---|---|---|---|---|
| ソックスサポート (ファイン) |
¥550 | 布 | 床座り | 必要 | まず試したい方 |
| ソックスエイド 先割れタイプ ★定番 |
¥1,500〜 | プラスチック | 椅子座り | 必要 | 椅子で履く方 腰痛・お腹出 |
| ソッキー (アビリティーズ) |
¥4,000〜 | フレーム (椅子固定) |
椅子座り | 不要 | 手の力も弱い方 最も楽に履きたい |
| イージースライド (シグバリス) |
¥3,000〜 | スライド式 (摩擦低減) |
椅子座り | 少し必要 | 着圧ソックス 弾性ストッキング |



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