この記事でわかること
1夜間用パッドの吸収量の決め方——夜間の尿量は実際に計測して決めるのが一番確実です。
2肌に優しいタイプ vs 漏れにくいタイプ——ライフリーとサルバ、どちらを選ぶかの基準を解説。
3パンツ型には夜間の限界がある——それでも漏れるなら、夜だけテープ型に替えることを検討してください。
「朝起きたらおむつから漏れていた」「夜中に何度も替えないといけない」——夜間の漏れは、介護する側もされる側も本当に消耗します。
夜間の漏れには、昼間とは違う対策が必要です。
夜は長時間おむつを付けたままになるため、吸収量の問題・肌への刺激の問題・パンツ型の構造的な問題が重なります。
この記事では、夜間のおむつ漏れを防ぐための「夜用パッドの選び方」「吸収量の決め方」「それでも漏れる場合の対処」をおむつの専門家の視点から解説します。
目次
① まず夜間の尿量を計測する
夜用パッドを選ぶとき、「大きければ安心」と思って最大吸収量のパッドを買う方が多いです。でも、これは必ずしも正解ではありません。
吸収量が多すぎるパッドはサイズが大きくなり、ごわごわして股が開きにくくなったり、ギャザーがうまく立たずに漏れの原因になることがあります。
正しいのは、夜間の実際の尿量に合ったパッドを選ぶことです。
【計測方法】
寝る前にパッドを装着してから、朝交換するまでの使用済みパッドの重さをキッチンスケールで測ります。使用前のパッドの重さを引けば夜間の排尿量がわかります。面倒な場合は使用後の重さをそのまま参考値にしてもOKです。
1回分の吸収量の目安は150mlです。夜間の尿量が600mlであれば4回分、900mlなら6回分が目安になります。
計測方法の詳細は「大人用おむつの選び方」の記事で解説しています。
夜間の尿量は日中より多いことがほとんどです。日中は2回分で足りていても、夜間は6〜8回分必要という方も珍しくありません。「昼と同じパッドを夜も使っている」場合、それが漏れの原因かもしれません。
② 夜用パッドを選ぶ2つの軸
夜用パッドを選ぶときに意識してほしいのは「肌への優しさ」と「漏れにくさ」の2つです。
夜間は長時間、尿がパッドの中に留まります。昼間と違って交換頻度が少ない分、「尿がいかに早く肌から離れるか」「どれだけ長く逆戻りしないか」が重要になります。
この2つの軸で、ライフリーとサルバの夜用パッドは設計の思想が異なります。
| ライフリー お肌に低刺激であんしん尿とりパッド |
サルバ あて楽パッド 朝まで1枚 |
|
|---|---|---|
| 重視している点 | 肌への優しさ | 漏れにくさ・使いやすさ |
| 最大吸収量 | 6回分 | 12回分 |
| 表面シート | さらさらドライシート なみなみ構造で吸収速い |
全面通気シート pHコントロールパルプ |
| 便への対応 | — | 便キャッチスペースあり |
| 当て方の工夫 | — | カンタン装着つまみ 青色立体ギャザー |
| こんな方に | 肌が弱い・かぶれやすい方 | 漏れが心配・初心者・ 便も出る可能性がある方 |
③ 肌の弱い方に|ライフリー お肌に低刺激であんしん尿とりパッド
このパッドの最大の特徴は「さらさらドライシート」と「なみなみ構造」の組み合わせです。
表面のさらさらドライシートが肌と尿を物理的に隔てる設計で、排尿後も肌にべたつきが残りにくくなっています。さらになみなみ(波状)の構造にすることで表面積が増え、吸収スピードが速くなっています。
排尿後の接触時間を短くして、尿が肌に長く触れないようにする——これがかぶれ予防につながります。
4回分と6回分の吸収量があり、夜間の長時間使用にも対応できます。
肌が弱くてかぶれやすい方、おむつかぶれが繰り返す方に特におすすめしたい商品です。
以前は「一晩中 お肌あんしん尿とりパッド」という名前でしたが、リニューアルして現在の商品名になっています。名前が変わっても設計思想は同じで、「肌に触れる時間を短くする」ことへのこだわりが詰まっている商品です。
④ 漏れが心配な方・初心者に|サルバ あて楽パッド 朝まで1枚
「朝まで漏れないか不安」「初めて夜用パッドを使う」という方に一番おすすめしたい商品です。
最大12回分の吸収量(アテントも同様)があるのはもちろん、当て方のサポートが充実しているのが大きな特徴です。
【カンタン装着つまみ】
パッドの先端部分に「つまみ」が付いています。パッドを装着するとき、このつまみを持って動かすことで正しい位置に当てやすくなり、装着ミスによる漏れを防ぎます。介助者が当てる場合も、つまみを持って調整できるので操作しやすいです。
【青色立体ギャザー】
そけい部(足の付け根)にぴったり当たる位置に青い立体ギャザーが付いています。青色が「目印」になり、正しく当たっているかどうかが一目で確認できます。夜間の薄暗い中での交換時や、白い肌との見分けがしやすいよう、あえて青色にする設計です。装着後にギャザーが鼠径部に沿っているか確認するだけでよいので、初心者でも当て方のミスが減ります。
【便キャッチスペース】
夜間に排便があった場合の漏れを軽減するためのスペースが設けられています。おむつは便への対応を主目的にしていませんが、万が一の場合に備えた設計です。
【pHコントロールパルプ・全面通気シート】
弱酸性のパルプを採用することで抗菌・消臭効果を発揮。全面通気シートでムレを防ぎます。
個人的には、これ1枚でお肌ケア・漏れ防止・当て方サポートの3つが揃っているので、幅広い方に使いやすい商品だと思っています。
「漏れやすい方はサルバ、肌が弱い方はライフリー」が私の基本の選び方です。迷ったらサルバを試してみてください。「青色のギャザーが目印になる」という設計は地味に見えて、実際の現場では当て方ミスを防ぐ大きな助けになっています。
⑤ それでも漏れるなら|パンツ型には夜間の限界がある
吸収量も合っている、サイズも正しい、当て方も確認した——それでも夜間に漏れる場合があります。
実は、パンツ型は「夜間の横になった状態での排尿」に対して構造的な限界があります。
パンツ型は立って使うことを前提に設計されているため、横になった状態で排尿すると、尿がパッドから外れた方向に流れやすくなります。サイズも吸収量も当て方も全部合っていても、この構造的な問題は解決できません。
パンツ型のまま夜間の漏れをゼロにしようとすることには、構造上の限界があります。
「もっと大きなパッドにすれば解決する」「別のメーカーにすれば大丈夫」ではなく、夜間だけテープ型に切り替えることを検討してください。
夜だけテープ型に替えるメリット
テープ型は横になった状態でも密着させやすく、夜間の長時間使用に向いた設計です。
「昼はパンツ型で自分でトイレに行き、夜はテープ型に替えて漏れを防ぐ」という使い分けは、現場でもよく行われています。
テープ型への切り替えを検討する際は、「おむつの選び方」の記事でテープ型の当て方についても解説していますので合わせて確認してください。
テープ型の夜間おすすめはライフリーの「のび〜るフィット」です。テープが伸縮するため、慣れていない方でも比較的きれいに装着できます。
「夜だけテープ型に替える」ことへの抵抗感を感じる方もいますが、日中の自立(トイレに行ける)と夜間の安心(漏れない)を両立するための合理的な選択です。介護する側の睡眠が守られることも、長く介護を続けるためにとても大切なことです。
⑥ 基本をすべて試しても漏れる場合は相談を
以下をすべて確認して、それでも夜間に漏れる場合は、おむつだけで解決しようとするのに限界があります。
・夜間の尿量を計測して吸収量を合わせた
・パンツ型からテープ型に切り替えた
・当て方を見直した(ギャザーが鼠径部に密着しているか、パッドがギャザーの内側に収まっているか)
それでも漏れが続く場合は、担当のケアマネジャー・ヘルパー・訪問看護師、または福祉用具専門相談員に相談してください。当て方は実際に見ないとわからない部分が多くあります。
もちろん、このブログからご相談いただいても構いません。
現場での経験上、夜間漏れの原因のほとんどは「当て方」か「吸収量のズレ」です。この2つを正しく合わせることで解決するケースが多いです。どうしても解決しない場合は、一人で悩まずに専門職に声をかけてください。
まとめ
✔ 肌が弱い・かぶれやすい → ライフリー お肌に低刺激であんしん尿とりパッド
✔ 漏れが心配・初めて夜用パッドを使う → サルバ あて楽パッド 朝まで1枚(青色ギャザーで位置確認できる・つまみで当てやすい)
✔ サイズ・吸収量・当て方がすべて合っていても漏れる → パンツ型の構造的な限界。夜だけテープ型への切り替えを検討
✔ それでも解決しない場合は専門職に相談を



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