おむつを拒否する方への対応|介護現場で実際に使っているアプローチと商品

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この記事でわかること

1おむつを拒否するのは当たり前のこと——拒否する理由を理解することが、解決への第一歩です。

2「おむつじゃない選択肢」が受け入れへの近道——軽失禁パッド・パッド用ショーツ・吸収ショーツなど、商品の幅は広いです。

3現場で実際に使った声かけのコツ——正直に言うと、力技よりも「一緒に」「たまたま」のアプローチが効くことが多いです。

「おむつを履かせたいのに、どうしても拒否される」

この悩みを持つ介護家族の方は、本当にたくさんいます。

まず最初に言わせてください。おむつを拒否するのは、当たり前のことです。

おむつを使うことは、自分の衰えを認めることです。「自分はそこまで落ちてしまったのか」という気持ち、羞恥心、プライドーーそういうものが全部のしかかってくる。拒否する気持ちは、決して「わがまま」ではありません。

そして実は、介護の専門職も「おむつを使いましょう」と気軽には勧めません。理由があります。

この記事では、拒否の背景にある理由と、現場で実際に使ってきたアプローチ、商品の工夫を正直にお伝えします。

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① なぜ拒否するのか——その背景を理解する

羞恥心とプライドの問題

おむつを履くということは、「自分はもう普通にトイレに行けない人間だ」と認めることを意味します。

失禁や排泄の問題は、その人のその人らしさや、楽しみ、外に出る機会、人との関わりなど、多くのものを奪っていきます。

おむつが白くてズボンの下から見えてしまうのが怖くて、旅行に行けなくなった方がいます。デイサービスに行っているときに失敗してしまい、恥ずかしくて行けなくなってしまった方もいます。おむつを拒否することで、外出の機会そのものを失ってしまう——そういう現実があります。

拒否する人を「わがまま」と思わないでください。その方にとって、それだけ大きな問題なのです。

安易に勧めてはいけない理由がある

介護の専門職がおむつを軽々しく勧めないのには、もう一つ理由があります。

おむつに慣れてしまうと、「いつ排尿してもいい」と脳が認識するようになります。すると今度は尿意そのものが曖昧になってきて、気づいたらおむつを手放せなくなってしまう——という方が実際にいます。

だからこそ専門職は、「この方にとって本当におむつが必要か」「履くことでその方の生活が豊かになるか」を慎重に考えてから勧めます。

どうしても外に出られなくなるとか、介護する家族の負担が限界に来ているとか、これしかないという判断のときに、初めて勧めます。

おむつを勧めることは、決して軽い選択ではありません。

💬 専門員のひとこと
「おむつを使わせたいのに拒否される」と悩んでいる方へ——あなたが悩んでいることは、介護あるあるです。自分だけだと思わないでください。私も2年間、あれこれ手を尽くしてもなかなか履いてもらえなかった方がいます。最終的に近所の方の一言で解決しました(後述します)。

② 「白いおむつが嫌」な方への商品の工夫

おむつへの抵抗感のひとつが「見た目」の問題です。

白いおむつはズボンの下から少しでも見えると、周りにすぐわかってしまいます。「おむつを履いているとばれるのが嫌」という気持ちは、とても自然なことです。

まずここから解決してみましょう。

アテント うす型パンツ 下着気分 エレガントピンクベージュ

白いおむつへの抵抗感を解消するために、一番最初に試してほしい商品です。

この商品はワコールとの共同開発で生まれたピンクベージュのカラーが特徴です。正直、初めて見たとき「これ、本当におむつ?」と思うほどきれいな色です。ズボンの下から少し見えても、下着に見える。

「これなら履く」という方が現場でも本当に多い商品です。おむつの拒否が見た目の問題からきている女性の方には、必ず一度試してほしい商品です。

💬 専門員のひとこと
「こんなおしゃれな色があるんですね」と喜んでくれる方がとても多い商品です。白いおむつへの抵抗感が強い方には、まずこれを見せてあげてください。

リリーフ まるで下着(花王)

淡いピンクのカラーで、こちらも見た目が下着に近いパンツ型おむつです。

色のついたおむつは廃盤になることが多く、以前は水色タイプもありましたが現在はなくなっています。商品の継続性は変わることがあるので、購入前に現在も販売されているか確認してください。

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③ 「おむつじゃない選択肢」——抵抗感が薄い代替品

「おむつ」という言葉そのものへの抵抗が強い方には、おむつではない形から始める方法があります。

軽失禁パッド——自分の下着に貼るタイプ

生理用ナプキンのように、自分の下着に貼り付けて使う吸収パッドです。

外から見てもまったくわからないため、「おむつを履いている」という感覚がなく、抵抗感が薄い方が多いです。

最大300cc(約2回分)のものまであります。

・「リフレ 超うす安心パッド」(薄いので歩きやすい)
・「ポイズ 肌ケアパッド」(厚みがあるが安い)
・「ライフリー さわやか男性用安心パッド 250cc」(男性向け・最大サイズ)

注意点が2つあります。

ひとつは、枚数をたくさん使うと、パンツ型おむつ+パッドの組み合わせより費用がかかる場合があります。

もうひとつは、貼り付ける下着がゆったりしすぎていると隙間から漏れてしまうことがあります。体にぴったりフィットする下着(生理用ショーツでも可)が必要です。

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パッド用ショーツ——見た目は普通の下着で、大容量パッドも使える

パッド用ショーツは見た目が普通の下着と変わらないのに、どの大きさのパッド(パンツ用・テープ用)も使えるというのが最大のメリットです。

パンツ型おむつだと、パッドをギャザーの内側に収めないといけません。テープ用パッドを使うと大きすぎてはみ出しやすいのですが、パッド用ショーツなら形を問わずどんなパッドも使えます。

また繰り返し洗って使えるので、コスパが良く、通気性が高いため肌トラブルが起きにくいのも特徴です。

ただし、パッド用ショーツ自体には吸収体がありません。パッドから漏れてしまうとそのまま漏れます。確実にパッドが正しい位置に当たる方でないと、パンツ型おむつほどの「保険」がきかないことは理解しておいてください。

最初はパンツ型おむつで「毎回パッドの中に納まっている」と確認できてから、パッド用ショーツに切り替えるのが安心です。

おすすめは「TENA フィックス」「TENA フィックスコットンスペシャル」です。綿素材でやわらかく、肌触りが良いコットンタイプは特に使い心地が好評です。

💬 専門員のひとこと
「おむつを使いたくない」という方でも、パッド用ショーツなら下着感覚で使えるので受け入れてもらいやすいです。軽失禁パッドでは吸収量が足りない方(300cc以上が必要な方)には特におすすめしています。
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吸収ショーツ——使い捨て商品が使えない方の最終手段

紙製品や使い捨てのパッドをどうしても受け入れられない方には、吸収体が縫い込まれた洗って繰り返し使える「吸収ショーツ」があります。

ただし正直に言います。吸収ショーツは紙製品と比べると、吸収スピードが遅く、尿を閉じ込める力も弱く、においも出やすいです。吸収量が多いタイプはどうしても厚みが増してごわごわします。

それでも「何もない下着よりはまし」と思ってもらえればと思います。

・「ニシキ デラックス失禁ショーツ」——200cc〜300ccまで吸収
・「Conni(コニー)」——海外製ですが、非常に薄いのに250〜350ml吸収できます。アクティブな方に特におすすめ。ただしサイズ選びに注意が必要です。

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④ 現場で実際に使った声かけのアプローチ

商品を変えても拒否が続く場合は、伝え方・アプローチを変えてみてください。

「おむつを履いてください」とお願いしても頑なに断る方でも、言い方を変えると受け入れてもらえることがあります。現場で実際に使ったアプローチをいくつか紹介します。

アプローチ①:下着の引き出しにこっそり入れておく

「おむつを買ってきました」と言うと構えてしまう方でも、いつもの下着と同じ引き出しに自然に入れておくと、気づかずにそのまま履いてくれるケースがあります。

見た目が下着に近いアテント エレガントピンクベージュやリリーフ まるで下着など、色付きタイプで特に有効な方法です。

アプローチ②:「自分のためじゃない」という文脈で渡す

「あなたのために買ってきた」というと「私はまだいらない!」と拒否される方でも、「私(娘)のために買ったんだけど、一緒に試してみない?」と伝えると「一緒になら…」と履いてくれたことがありました。

自分が使うことへの抵抗感が、「誰かと一緒」という文脈でやわらぐことがあります。

アプローチ③:「病院から頼まれた」という治療目的で伝える

「病院の検査でジェルを塗るから、普通の下着だと汚れてしまう。病院からこれを履いてきてほしいと言われている」という伝え方で、治療の一環として受け入れてもらえたケースがありました。

「おむつを履く=衰えた」ではなく「治療のために必要なもの」という文脈に変わると、抵抗感が薄れる方がいます。

アプローチ④:信頼できる第三者に頼む

これが意外と一番効くことがあります。

私が2年間向き合ってきた方は、どのアプローチも効かなかったのですが、最終的に近所の方が「私も履いてるよ?」と声をかけてくれた一言で、すんなり「あの人が履いてるなら履くわ」と受け入れてくれました。

もっと早く近所の方に頼めばよかった、と今でも思っています(笑)。

ケアマネジャー、かかりつけ医、仲の良い友人、近所の方——家族以外の信頼できる人からの一言が、何年も解決しなかった問題を動かすことがあります。

💬 専門員のひとこと
とにかく、一度でも履いてもらうことが大事です。

多くの方は「履くのが嫌」なのであって、「履いてみたら嫌だった」わけではありません。実際に履いてみると「こんなもんか」と受け入れてくれる方が多い。言ってみれば「履かず嫌い」です。

何でもいいから一度履いてもらうきっかけを作ること。それを粘り強く続けてください。

⑤ 選び方まとめ——状況別に選ぶ

状況 おすすめの対策 商品例
白いおむつが嫌(女性) 色付きおむつに変える アテント エレガントピンクベージュ
リリーフ まるで下着
おむつという言葉が嫌 軽失禁パッドから始める リフレ超うす安心パッド
ポイズ肌ケアパッド
ライフリー男性用(男性向け)
300cc以上必要だがおむつは嫌 パッド用ショーツを使う TENA フィックス
TENA フィックスコットンスペシャル
使い捨て製品が嫌 洗える吸収ショーツ ニシキ デラックス失禁ショーツ
Conni(薄型・アクティブ派)
どれを使っても拒否する 声かけのアプローチを変える こっそり入れておく
第三者に頼む
治療目的で伝える

まとめ

✔ おむつを拒否するのは当たり前——羞恥心やプライドを理解することが先
✔ 白いおむつへの抵抗には→ アテント エレガントピンクベージュ(ワコール共同開発の下着見えする色)
✔ おむつという言葉が嫌な方には→ 軽失禁パッド(最大300cc・外から見えない)
✔ 吸収量が必要だがおむつは嫌な方には→ パッド用ショーツ(TENAフィックス)
✔ 声かけは「一緒に」「治療目的」「第三者」が効くことがある
✔ とにかく一度履いてもらうことが大事——「履かず嫌い」の方が多い
✔ 自分だけで悩まない——これは介護あるあるです

おむつの拒否で悩んでいる方へ——これは本当によくあることです。

2年間向き合い続けて、最後は近所の人の一言で解決した経験から言えるのは、「正面突破じゃなくていい」ということです。

角度を変えて、商品を変えて、声をかける人を変えて——それを粘り強く続けてください。

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