
この記事でわかること
1クリニコと主要メーカーのとろみ剤比較——溶けやすさ・とろみの強さ・価格を一覧で比較します
2安いとろみ剤で気をつけたいこと——現場で経験した実例をもとに解説します
3状況別のおすすめとろみ剤——冷たい飲み物、施設での大量使用など、状況に合わせて紹介します
とろみ剤は、どれも同じに見えて、実は溶けやすさも味への影響もかなり違います。
以前の記事ではクリニコの商品を中心にご紹介しましたが、今回は他のメーカーも含めて比較し、内容を見直しました。
とろみの強さの目安から、メーカーごとの違い、安いとろみ剤で気をつけたいことまで、まとめて解説します。
福祉用具専門相談員が選ぶ おすすめの1品
つるりんこQuickly(森永乳業クリニコ)
特別用途食品「とろみ調整用食品」を取得。簡単&スピーディーにとろみをつけられます。
現場で長く使ってきた実感として、いちばん溶けやすいと感じているシリーズです。迷ったらこれ。
とろみの強さは3段階が基準
とろみ剤は、日本介護食品協議会の統一基準で3段階の強さに分けられています。
・フレンチドレッシング状:軽いとろみ
・とんかつソース状:中間のとろみ
・ケチャップ状:濃いとろみ
むせやすさの程度によって、必要なとろみの強さは変わります。まずはかかりつけ医やSTの指示があれば、それに従ってください。
とろみの強さは「濃ければ安心」というわけではありません。濃すぎるとろみは、かえって喉に張りついて飲み込みにくくなることがあります。指示された強さを守ることが大切です。
とろみ剤にも世代がある
とろみ剤は、主な原材料によって3つのタイプに分けられます。
・でんぷん系(第一世代):時間が経つと粘度が変わりやすい
・グアーガム系(第二世代):粘度は安定するが、独特の色や風味がつきやすい
・キサンタンガム系(第三世代):透明で風味を損ないにくく、粘度が安定している
現在市販されているとろみ剤の多くは、この第三世代のキサンタンガム系が主流です。この分類は今も変わっていません。
現場の実感として、クリニコのとろみ剤(つるりんこシリーズ)はいちばん溶けやすいと感じています。原材料にキサンタンガムが明記されており、味や香りへの影響も少ないです。ただし、溶けやすさの感じ方には個人差もあるので、まずは1袋試してみることをおすすめします。
主要6メーカーを比較
| 商品名 | メーカー | フレンチドレッシング状 | とんかつソース状 | ケチャップ状 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| つるりんこQuickly | 森永乳業クリニコ | 1.0g | 2.0g | 3.0g | 特別用途食品認定。簡単&スピーディー |
| サナスロート | サナス | 1.0g | 1.5〜2.0g | 2.5g | 溶かしやすく安定したとろみ |
| とろみエール | アサヒグループ食品 | 0.8g | 1.6g | 3.2g | サッと溶けてダマになりにくい。加熱不要 |
| かんたんトロメイク | 明治 | 0.9g | 1.6g | 2.4g | クリアなとろみでおいしさそのまま |
| トロミアップ やさしいとろみ | 日清オイリオ | 1.0g | 2.0g | 3.0g | 特許製法でダマになりにくく初心者向け |
| トロミーナ レギュラータイプ | ウエルハーモニー | 1.0g | 2.0g | 3.0g | 食材や飲料を選ばず安定した粘度 |
数値(g)は、水またはお茶100mLに対しての使用量目安です。数値が小さいほど、少ない量でとろみがつくことを意味します。ただし少ない量でとろみがつく分、入れすぎるとすぐに濃くなりすぎるため、計量はきちんと行ってください。
どのメーカーも「ダマになりにくい」「溶けやすい」とうたっていますが、実際の溶けやすさは水温や飲み物の種類でも変わります。同じ商品でも、冷たい飲み物と温かい飲み物では溶け方が違うことがあるので、両方試してみてください。
安いとろみ剤で気をつけたいこと
以前勤めていた施設で、価格の安いとろみ剤を使っていたことがあります。
そのとき、飲み物の味が変わってしまい、下痢をする方が何人かいました。断定はできませんが、とろみ剤が関係していたのではないかと今でも思っています。
安いとろみ剤は溶けにくく、量を多めに入れないととろみがつかないことがあります。その結果、味への影響も大きくなりやすい傾向があります。
とろみ剤を変えてから、下痢や便秘、食欲低下などが続く場合は、とろみ剤との相性が悪い可能性があります。自己判断で止めず、まずはケアマネジャーや管理栄養士に相談してください。
高齢の方には、お腹に影響が出にくく、味も変わりにくく、冷たい水でも溶けやすいとろみ剤が向いています。価格だけで選ばず、この3点を基準に選んでみてください。
片栗粉でとろみをつけるのはあり?
今でも片栗粉でとろみをつけている方がいます。
料理に使う分には問題ありません。ただし、飲み物に使うと、味が変わってしまうことがあります。
すべての飲み物で味が悪くなるわけではありません。実際に作って飲んでみると、片栗粉でも違和感のない飲み物と、明らかに味が変わってしまう飲み物があります。心配な方は、少量で一度試してみてください。
片栗粉は冷めると粘度が落ちやすく、時間が経つととろみが弱くなることもあります。市販のとろみ剤は温度が変わっても粘度が安定しやすいので、飲み物には市販のとろみ剤をおすすめしています。
状況別のおすすめとろみ剤
・迷ったらまず試したい方 → つるりんこQuickly(森永乳業クリニコ)
・冷たい飲み物中心の方 → かんたんトロメイク(明治)
・温かいお茶が多い方 → とろみエール(アサヒグループ食品)
・初めてとろみ剤を使う方 → トロミアップ やさしいとろみ(日清オイリオ)
・牛乳や濃厚流動食にとろみをつけたい方 → つるりんこ 牛乳・流動食用(森永乳業クリニコ)
・炭酸飲料にとろみをつけたい方 → つるりんこシュワシュワ(森永乳業クリニコ)
・少ない量で経済的に使いたい方 → トロミーナ プレミアムタイプ(ウエルハーモニー)
どれか1つに決めきれない場合は、少量パックがあるメーカーから試してみてください。大容量を買ってから合わないと気づくと、もったいないです。
まとめ
✔ 今も主流はキサンタンガム系(第三世代)——分類は変わっていません
✔ 安いとろみ剤は溶けにくく、味や体調に影響することがある——お腹に影響が出たら見直しを
✔ 飲み物のとろみは市販のとろみ剤がおすすめ——片栗粉は料理向き
✔ 迷ったら少量パックから試す



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