この記事でわかること
1おむつが漏れる根本的な原因は3つ——吸収量・サイズ・当て方のどこかが合っていないと、必ず漏れます。
2横漏れ・背中漏れ・前漏れ、それぞれ原因が違います——どこから漏れているかで、対策が変わります。
3男性の横漏れは特別な対策が必要——陰部の向きに合わせたパッドの当て方をイラストで解説します。
「おむつをしているのに漏れてしまう」——これはおむつ選びの中で最も多い相談です。
「もっと吸収量の多いものにすれば漏れないはず」と思って大容量のパッドに替えても漏れる。「サイズを大きくすれば大丈夫」と思って一回り大きいものにしても漏れる。こうした試行錯誤を繰り返している方はとても多いです。
実は、おむつが漏れる原因は大きく3つに絞られます。この3つのどれかが原因になっているので、漏れている場所と状況から原因を特定して、対策を取ることが大切です。
この記事では、おむつの専門家で福祉用具専門相談員として、現場で実際に対応してきた経験をもとに解説します。
目次
① おむつが漏れる3つの根本原因
原因① 吸収量が合っていない
おむつのパッドには「1回分・2回分・4回分…」という吸収量の目安が書かれています。この「1回分」は、メーカー共通で150mlが基準です。
たとえば、1回の排尿量が400mlの方が「2回分(300ml)」のパッドを使えば、1回の排尿で既にオーバーフローして漏れてしまいます。
よくあるのが「日中と夜間で同じパッドを使っている」ケースです。日中は2〜3時間おきに交換しているから2回分で足りていても、夜間は交換頻度が少ないため、同じパッドでは溢れてしまいます。
日中と夜間は別のパッドを使うのが基本です。
吸収回数が少なくていい人が大容量のパッドを使うと、パッドが大きくなりすぎて股間がごわごわし、ギャザーがつぶれて漏れの原因になります。自分の排尿量に合った吸収量を選ぶことが大切です。
正しい吸収量の決め方は、実際に計測するのが一番確実です。キッチンスケールを使った計測方法は「おむつの選び方」の記事で詳しく解説しています。
原因② サイズが合っていない
「大は小を兼ねる」のはおむつには当てはまりません。
パンツ型はウエストサイズ、テープ型はヒップサイズをきちんとメジャーで測りましょう。
「下着のサイズがMサイズだったから、おむつもMサイズで良い」訳ではありません。
【大きすぎる場合】
おむつと体の間に隙間ができます。特に足まわりのギャザーが密着せず、そこから伝い漏れが起きます。
【小さすぎる場合】
正しい位置に装着できません。パッドがギャザーの外にはみ出したり、ギャザー自体がつぶれてしまい、漏れ防止の機能が失われます。
ウエストやヒップのサイズだけで選ぶと間違えやすい商品です。太もものサイズや体型(やせ型・ふっくら型)によってもフィット感が変わります。サイズに迷ったときは、メーカーHPからサンプルを取り寄せるのもオススメです。
原因③ 当て方が間違っている
吸収量もサイズも合っているのに漏れる場合は、当て方の問題です。
【よくある間違い①:パッドがギャザーの外にはみ出している】
テープ型・パンツ型どちらも、パッドは必ずギャザーの内側に収めてください。パッドがはみ出した状態では、尿がギャザーを越えて直接外に漏れます。
【よくある間違い②:ギャザーが足の付け根(鼠径部)に沿っていない】
太もものお肉にひっかかってギャザーが折れ込むと、密着せずに漏れます。装着後に必ず両側のギャザーを立てて、指で鼠径部に沿わせてください。
【よくある間違い③:テープがまっすぐ止まっていない(テープ型の場合)】
テープ型は、左右のテープをクロスにして止めると、テープが動きにくくなり、足の曲げ伸ばしをしてもずれにくくなります。同じ高さで水平に止めるよりも安定します。
「吸収量もサイズも同じなのに、交換する人が変わったら漏れなくなった」という話をよく聞きます。当て方一つでこれだけ差が出ます。慣れるまでは「ギャザーが立っているか」「パッドがギャザーの内側に入っているか」の2点を必ず確認してください。
② 漏れている場所で原因を特定する
漏れている場所を確認することで、原因をさらに絞り込めます。
基本的な考え方として、パッド1枚+パンツ型(またはテープ型)1枚の1枚ずつが基本の組み合わせです。2枚重ねて使っても吸収量は変わらず、むしろギャザーがつぶれて漏れやすくなります。
横漏れするとき
【女性の場合】
まず上記の3原因(吸収量・サイズ・当て方)を見直してください。3つをクリアできれば、ほとんどの場合で漏れがなくなります。尿道口とパッドの間に隙間がないかを特に確認してください。
【男性の場合:これが最も難しい】
男性の横漏れの原因として多いのが、「陰部が横向きになっている」ことです。
通常の当て方(パッドを前後方向に縦に当てる)では、横向きの陰部から出た尿がパッドの横にはけてしまい、そのまま漏れます。
対策は2つあります。
①陰部を包み込むようにパッドを当てる
陰部の向きに合わせて、陰部をパッドで包むように当てます。
②パッドを陰部に対して平行に接地する
陰部が横向きであれば、パッドをその向きに対して平行(横方向)に設置することで、尿をキャッチしやすくなります。
※あくまで応用です。

男性の横漏れは、正直なところ本当にやっかいです。通常の当て方では対応しきれない場合も多く、実際に陰部の状態を確認しながら当て方を一緒に考える必要があります。自宅での対応が難しい場合は、担当のヘルパーさんや訪問看護師に相談することをおすすめします。
背中漏れするとき
背中漏れが起きるのは主に2つの理由からです。
【理由①:お尻の肉で尿がせき止められる】
お尻の肉に尿がぶつかり、前側に流れる代わりに背中側に流れてしまいます。
【理由②:ずっこけ座りの姿勢】
骨盤が後ろに傾いた「ずっこけ座り」の状態では、排尿が背中側に流れやすくなります。
【対策①:パッドの設置位置を後ろにずらす】
パッドはお尻側(背中寄り)に多く設置するようにしましょう。男性は前を広めに当てますが、背中漏れがある方はお尻側を中心に配置すると改善することがあります。

【対策②:姿勢の改善+クッションの活用】
ずっこけ座りの方は、クッションやポジショニングクッションで座位姿勢を整えることで、背中漏れが改善することがあります。おむつだけで解決しようとせず、姿勢面のアプローチも合わせて検討してください。
【対策③:背漏れポケット付きの商品を選ぶ】
アテントには「背漏れポケット」がついた製品があります。背中側に立体的なポケット構造があり、背中への漏れを物理的にせき止めます。上記の対策を試しても改善しない場合は、この商品への変更を検討してください。
「おむつだけで背中漏れを完全に防ぐ」のは難しい場合もあります。座位姿勢の問題がある方は、理学療法士や作業療法士に姿勢の評価をしてもらうことも有効な手段です。
前漏れするとき
前漏れはそれほど多くはありませんが、横向き寝の男性の方で起きることがあります。
横向きに寝ている状態で陰部が上向きになっているときに、前側から漏れてくるケースです。この場合の対策は横漏れと同じで、陰部の向きを確認し、向きに合わせてパッドを当て直すことで改善することがあります。
また、勢いよく排尿される方(尿の勢いが強い方)は、パッドの吸収スピードが追いつかずにオーバーフローすることがあります。この場合は吸収スピードが速いタイプのパッドへの変更を検討してください。
③ 漏れが続くときのチェックリスト
まずこの順番で確認してください
✅ 吸収量は合っているか?——1回分=150ml。排尿量をスケールで計測したか✅ 日中と夜間でパッドを分けているか?——夜間の吸収量不足が最多原因
✅ サイズは合っているか?——大きすぎず・小さすぎず。ギャザーが足まわりに密着しているか
✅ パッドはギャザーの内側に入っているか?——はみ出しは即漏れの原因
✅ 装着後にギャザーを立てて鼠径部に沿わせているか?
✅ (男性)陰部の向きを確認したか?——横向きなら対策が必要
✅ (背中漏れ)パッドをお尻側に多く設置しているか?
上記をすべて確認しても改善しない場合は、一人で悩まないでください。おむつの当て方は、実際に見ないと判断できない部分も多くあります。担当のケアマネジャー・ヘルパー・訪問看護師、または福祉用具専門相談員に相談することをおすすめします。
まとめ
✔ 吸収量はスケールで計測して決める——日中と夜間で別のパッドが基本
✔ 大きすぎるサイズは隙間漏れ、小さすぎるとギャザーがつぶれて漏れる
✔ パッドは必ずギャザーの内側へ。装着後にギャザーを立てて鼠径部へ密着させる
✔ テープ型はクロス止めで安定感アップ
✔ 横漏れ(男性)→ 陰部の向きを確認してパッドの当て方を変える
✔ 背中漏れ → パッドをお尻側に多く設置+姿勢の改善+アテント背漏れポケット品
✔ すべて試しても改善しない場合は専門職に相談を
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