歳を重ねると、食べこぼしが増えてきます。
なぜ、食べこぼすようになるのでしょうか?
目次
食べこぼしの原因
高齢者が食べこぼしてしまう主な理由は次のようなものがあります。
身体機能の低下
・年齢とともに飲み込む力、噛む力、口を開け閉めする力など口周りの力が衰える
・視力低下により食べこぼしやすくなる
・入れ歯が合っていない
姿勢が悪い
・食事の姿勢が悪いと、口まで運ぶ間にこぼしやすい
・前かがみの姿勢だと口からこぼれやすい
食器や机、椅子が悪い
・使いづらい食器を使っている
・テーブルや椅子の高さが合っていない
・座っている位置とテーブルが離れすぎている
このようなことが原因で、食べこぼしやすくなります。原因を改善すれば、食べこぼしを軽減できるかもしれません!
食べこぼす原因は一つじゃないことが多いです
食べこぼしの改善方法
食べこぼしてしまう原因が分かったところで、ではそれを改善する・対策するにはどのようにすれば良いでしょうか?
身体機能が低下したことによる食べこぼし
口の周りの機能が落ちたことによる、食べこぼしの改善方法は、【パタカラ体操】というものがあります。
こちらは【パ・タ・カ・ラ】と発言することで、口の周りの筋力を鍛えます。
その他、色々な体操がこちらに載っています。
食事を食べる前に体操して、筋肉をほぐし、唾液の分泌をよくすることで、食べこぼしや誤嚥の予防にもなります!
視力や入れ歯が合っていないことで食べこぼしてしまう場合は、矯正するしかありません。
特に入れ歯は体系の変化(入院して痩せてしまったり)によって、合わなくなってしまいます。
一度作ったからといって、ずっと使い続けれるものではありませんので、こまめに歯医者さんに見ていただき、合っているか確認してください。入れ歯を付けて、食べるときに痛みを生じたり、入れ歯が動いてしまう場合は合っていません。合わないからと装着せずに食べると、噛まなくなります。噛まないと噛む力や飲み込む力がすぐ落ちてしまうので、要注意です。
合わなくなったら作り直すようにしてください。顔の形も変わりますので、入れ歯は大事です。
なかなか歯医者に行けないという方は、訪問してくれる歯医者さんもあるので、家に来てもらって、入れ歯の調整・作成をしてもらいましょう。(訪問歯科)
姿勢が悪いことにより食べこぼし
食事の姿勢が悪いと、食べこぼししやすくなります。
①背筋を伸ばして、あごを軽く引き、やや前かがみの姿勢
②背もたれのある椅子に深く腰掛ける
③テーブルの高さは、腕を乗せて肘が90度に曲がる程度
④体とテーブルの間はこぶし一つ分くらい開ける
⑤椅子の高さは膝が90度に曲がる程度
これ、全部大事なので、今のご自身の姿勢を確認してください!
この姿勢の悪さと、次の食器や机、椅子が悪くて食べこぼししやすいは、同じものがありますが…。
食器や机、椅子が悪いことによる食べこぼし
食器や机、椅子が身体と合っていないと姿勢が悪く、不安定になります。そうすると、食べこぼしをしやすくなります。
上の食べやすい姿勢になるように、机や椅子、食器を用意しましょう。
・まず、体に合った椅子を用意します。
・椅子に座った状態で、肘が付く高さの机を用意します。
昇降するテーブルだと高さが合わせやすいですね
椅子の合わせ方は、こちらのブログを参考にしてください☟
椅子を引くのが大変な方は、回転する椅子だと、立ち座りがしやすいのでオススメです。
ただ、回転する椅子はくるくる動き続けるので、腰に負担がかかります。
回転するけど、止まってくれる椅子が、最もオススメです。
【ピタットチェア】
・食器は、持つ力がない方は裏が滑り止めになっているものがオススメです。
・斜めにすると、中身が見やすくなって食べこぼしを軽減できます。
その他の食べこぼしを予防できる用具
机や椅子を新しく用意するのは大変だと思います。
もっと簡単なもので予防できる方法をご紹介しますね
エプロン
食べこぼしの改善ではありませんが、食べこぼしが洋服に付くのを防ぐ役割として使われているのがエプロンです。
一般的なエプロンの取り扱いがある【大阪エンゼル】さん
オシャレなエプロンの取り扱いがある【ケアデザインズ】さん
柄もサイズもたくさんあります。必ず、本人が良いといったら付けるようにしてください。嫌がる方も当たり前ですが多くいらっしゃいます。
エプロンを付けるのは、改善ではなく対策なので、食べこぼしが無くなるわけではありません。
一番は食べこぼしが無くなるように、原因を改善してもらい、その上でどうしても食べこぼしが起きてしまう方は、エプロンなどの対策を活用してください。
エプロンを付けることは、恥ずかしいと思う方が多くいることを知ってください
腕置き
介護ベッドメーカーの【シーホネンス】が腕置き付きのテーブルを開発しました。
昔は、「机に肘を置くなんで行儀悪い!」と言われていましたが、食べこぼしの改善としては、机に肘を置くのは非常に有効的です。上肢が安定するので、姿勢が安定します。
食事を口元に運びながら、上肢を安定させるのは、とても力が必要ですが、腕を机に置いてしまえば、軽い力で食事を口元まで運ぶことができます。
箸やロボット、スプーン
箸ではつかみにくくなり、こぼすようになると、皆さんスプーンやフォークに変えてしまいますが
箸でこそ食べやすい食事もたくさんあります。
麺類は特に箸が食べやすいですよね
箸にもつかみやすいように、握力がなくなってもつかめるように工夫されたものがたくさんあります。
スプーンやフォークに行く前に、まずはこちらを試してください。
スプーンや箸を自分で持って食べるのが難しい方は、誰かに口元まで運んでもらう必要があります。
自分のペースで食事をしたいときに、自分で操作して、自分が食べたいおかずを食べたいタイミングで、口元まで運んでくれるロボットもあります。
食事は1日に3回以上あり、それを楽しみに生きている方は少なくありません。
食べこぼすようになると、外食がぱたりとなくなります。
外で食べる楽しみがなくなると、生きる楽しさが無くなる、生きる気力が無くなる方もいます。
今は個室のお店もありますし、食事形態を【きざみ】や【ミキサー食】で提供してくれる旅館もあります。
愛知県南知多にあります、サポートイン南知多は、日帰りでお食事を楽しむこともできますし、お風呂に介護用リフトやシャワーイス、介護用ベッドが設置されているので、現在介護サービスを受けている方や、普通の旅館では心配な方も、安心して宿泊が出来ます。
スタッフさんも、介護士の資格を持っているので、家族だけでは介助が不安な方も、何かあっても安心です。
亀の井ホテルもバリアフリーや、介護用ベッド、リフト、椅子、杖など用意してあるホテルがある場所もあります。
何歳になっても、外食や旅行は楽しんでもらえたらいいなと思います。
食べこぼすようになっても、改善することで外食に引き続き行けますように
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