失敗しない!?40~60代のベッドの買い方

ベッド

私の本業は、介護が必要な方にぴったりの介護用ベッドを選ぶことです。

介護用ベッドとは、電動で背もたれ・足・高さが上下できるベッドのことをいいます。

介護用ベッドは、65歳以上の方、または40歳から64歳までの特定疾病をお持ちの方で、要介護認定を受け、要介護②~⑤の認定が降りた方は、介護保険を使って1~3割負担でレンタルすることができます。

【例外給付とは】
要支援①~要介護①の方でも、介護保険を使って介護用ベッドをレンタルすることができます。例えば、認定調査の時に「起き上がりができない」にチェックが付いている場合主治医の先生が、介護用ベッドが必要だと認めた場合などです。



しかし、介護用ベッドまでは必要でなくても、ベッドが必要になる時があります。

それは、現在布団や、低いベッドで寝ている方が、立ち上がる時に時間がかかるようになったトイレに間に合わなくなった膝・腰に負担がかかって痛むようになった、などのときです。

このような事態になると、ベッドの買い時・買い替え時になります。


ベッドが必要になったから、引き出し付きのベッドと、分厚くてふわふわのマットレスを買ったよ!

るーん
るーん

え!?そのベッドセットは、将来的に使えなくなってしまうかもしれませんよ!!

なんだって!?


きちんと、身体のことも考えてベッドを買わないと、せっかくベッドを買ってもすぐに買い換えないといけなくなります。

このブログでは、40・50・60代の方に今からベッドを買うなら、将来もずーっと使い続けられるように、失敗しないベッドの選び方をご紹介していきます。



買ってはいけないベッド

まずは、買ってはいけない、将来使えなくなるリスクが高いベッドを紹介していきます。

ローベッド

これは、言わずもがなかもしれませんが、高さの低いベッドは、ベッドの意味がありません。

ベッドに買い替える理由の多くは、布団や低いベッドから【立ち上がるのが大変になった】です。

ある程度マットレスでも分厚くはできますが、マットレスで厚みを増やすのはオススメできません
(後ほど、その理由もご説明させていただきます)

そのため、自分の足の長さを確認していただき、踵から膝裏の高さ、または膝裏よりちょい下の高さのあるベッドを選ぶようにしましょう。

引き出し付きのベッド

これは、驚く方もいるでしょう。ベッド下を収納機能として利用されている方は多くいると思います。

なぜ、引き出し付きのベッドがオススメできないかといいますと、人間の立ち上がりやすい動作にあります。

筋力があると、人は足を真っすぐに下ろしても立ち上がることができます。しかし、歳をとって筋力が衰えてくると、足を真っすぐに下ろしては立ち上がりにくくなります。

どうすれば立ち上がりやすくなるかというと、足を引いて、前かがみの姿勢になると、自然とお尻が浮きます。そうすると、少ない筋力で立ち上がりやすくなるのです。
つまり、足を後ろに引くスペースが必要になります。引き出しがあると、足が引けなくなるので、高さがあっても立ち上がりにくくなります。

収納がどうしても欲しい方は、ベッド自体の足元は空洞で、そこに収納ケースなんかで収納してもらうのが一番ですね!


キングサイズのベッド

え!?広いベッドはダメなの!?

広いベッドの欠点は、【寝返りが打ちにくくなる】です。

キングサイズじゃなくても、シングル以上のサイズのベッドは、真ん中に行くのに体をずらさないといけません。
ベッド上で身体をずらすというのは、高齢者の方にとってかなり辛い作業になります。また、介護者の方にとっても重労働です。

寝返りに関しても体や腕を動かすことで出来ていたことが、ベッドやマットレスの淵を持たないと、寝返りがしにくくなります。

ベッド上で動きにくくなるので、サイズはシングルがオススメです!

手すり付きのベッド

いやいやいや、将来的に手すりがついている方が絶対いいでしょ!

そう思って手すり付きのベッドを買った方がたくさんいると思います。
一番ダメなのは、足元側に手すりがついているベッドです。

これは、立ち上がる時に掴まると立ち上がりやすくするためについていますが、高齢になると、足を下ろすときにこの手すりの上か、かなり曲げて下ろさないといけなくなります。それが出来なくなり、結局手すりを取ることになります。

なので、手すりは最初からついているものではなく、必要になったらあとから付けるタイプにしましょう。

電動ベッド

将来のために、あらかじめ電動ベッドを買う!これはいいでしょう

実は、電動ベッドもどこが動くかによって、逆効果になってしまう電動ベッドがあるのです…。

介護用の電動ベッドは、起き上がりを補佐するために背もたれ全部が起き上がります。骨盤からですね。
一般的な電動ベッドは、作業するために背もたれが上がります。寝た状態で背もたれを起こすと、お腹の辺りから曲がっていきます。

本を読んだり、携帯を触るために、少し体を起こすためにある機能で、起き上がりにくくなった方が、この電動機能を使って起き上がろうとしても起き上がれません。

もし、将来のために電動機能の付いたベッドをあらかじめ買っておこうと考えている方は、電動機能の用途をしっかり確認してください。

マットレスと一体型のベッド

これに関しては、マットレスはいずれへたります。マットレスとベッドが一体型だと、マットレスがへたったときにマットレスだけ交換できず、ベッド自体買い換えないといけなくなってしまうからです。

マットレスがへたると、沈み込みすぎてしまうので、寝返りや立ち上がりがしにくくなってしまいます。それを防ぐために、へたったマットレスの上に、布団や薄いマットレスを重ねて使用する方も多くいますが、重ねたマットレスはズレやすく、ベッドの端に座った時に、上のマットレスがずれてしまい、そのまま床に尻もちをつく危険性があります。

そのため、ベッドとマットレスは別々のものを選びましょう。

厚みのあるマットレス

これはベッドではなくマットレスになりますが、厚みのあるマットレスはオススメできません。

特に、二枚重ねて使うもので、上下の硬さが違うため、寝心地が良いというものは将来危険になります。
スプリングが柔らかくて、ベッドの上でジャンプしたら跳ねることができるような、弾力のあるタイプも危険です。

人間、疲れていたり、筋力が衰えると、ベッドにゆっくり座らずに、勢いよく座ります。そうすると、厚みがある場合や、弾力が強いと、身体が跳ね返ってきます。
それで転倒する人が、実は高齢者の方には多いのです。

いやいや、そんなわけ…

今まで足の踏ん張る力があったことで、何ともなかったものが、徐々に筋力が落ち、今までありえなかったことが起きるのが老化です。

そのため、厚みがあるタイプや、スプリングの弾力が強いマットレスはオススメできません。




これらのベッドやマットレスは、将来的に使えなくなる可能性が高いものです。
ベッドやマットレスはそうそう悪くならないですし、金額も高額なものが多く、処分にも手間がかかります。
長く使えるものを選んでもらえたらと思います。



オススメのベッド

買ってはいけないものばかりで、結局何を買えばいいの!となった方もいるのではないでしょうか。
次は、オススメのベッドをご紹介していきます。

高さ調節ができるベッド

買ってはいけないベッドでご紹介しましたローベッドですが、布団からベッドに変える場合、いきなり高さを高くすると、落ちそうで恐怖感を覚える方もいるかもしれません。

そんな方にオススメのベッドは高さ調節ができるベッドです。自動ではなく、手動で高さ調節できるベッドもあります。

最初は低く設定してベッドに慣れてもらい、立ち上がるのがしんどくなってきたら高くすれば良いのです。

棚付きタイプ

意外と、将来的に困るのが携帯、照明のリモコン、エアコンのリモコンなどの置き場です。
これは必須というわけではありませんが、無いよりはある方が良い…くらいに思ってもらえたらと思います。

どっちにするか迷うくらいなら、棚がある方を選んでください。
置き場所が無いと、枕の横に置いたり、サイドテーブルを購入して置く必要があります。

緊急時にどこにあるのかすぐ分からなくなる危険性があります。

オススメのマットレス

オススメのマットレスは、厚みは8~10cmほどが丁度良いと思います。
介護用のマットレスもこの厚みのものが多いです。

硬さは好みがありますが、腰痛がある方は硬い方が、筋力が落ちた方もベッド上で動きやすくなり、身体への負担が軽減されるのでオススメです。ただ、もっと身体の衰えてしまって、寝返りができなくなった方は、柔らかい方がオススメです。

マットレスに関しましては、一生使うというより、その時の身体の状態に合わせて厚みや硬さを変えていくことをオススメします。

私が買うならこれ

今の段階で、私がオススメのベッドは、【株式会社グランツさんのシエントⅡ キャビネット】です。

高さ調節が3段階ででき、一番低くて30cmくらいになります。
ベッドの上にはマットレスでも布団でもどちらでも乗せることができます。
足元は空洞になっており、足が引きやすく、今のところ耐久も問題なさそうです。
設営も簡単なので、工具さええあれば女性一人でも問題はありません。

シエント Ⅱ キャビネット | 株式会社グランツ
ベッドメーカー株式会社グランツのライフケア事業(介護関連)自立支援ベッドページです。




介護を前提にするのであれば、オススメのベッドは【パラマウントベッド INTIME1000です。

こちらは、若くて健康的でも十分に使えますが、歳を重ねて体が衰え、介護が必要になっても介護用ベッドと同じ機能を使うことができます。
ただ、介護用ベッドはレンタルが出来るので、必ずしも必要なわけではありません。

「どうせ買うなら将来も使えるものを」「レンタルはいやだ。自分のベッドがいい」という方にはオススメです。

INTIME1000 | パラマウントベッド



マットレスは好みがあるので、なかなかオススメは出来ませんが…。


るーん
るーん

身体的にも、環境的にも、金銭的にも、長く使えるベッドに出会えますように!

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