浴槽ボード(バスボード)という用具をご存知でしょうか。名前だけ聞くとピンとこない方も多いのですが、実は「浴槽をまたぐのがつらい」という悩みをかなりシンプルに解決してくれる用具です。
浴槽の上に板を渡し、そこに座って足だけを浴槽の中に運ぶ。それだけで、またぐという大変な動作をしなくてよくなります。この記事では、浴槽ボードがどんな人に向いているのか、種類ごとの違い、実際に選ばれている商品を紹介します。
① 浴槽ボードとは
浴槽ボード(バスボード)は、浴槽のフチに板を渡すように設置し、そこに腰かけてから浴槽に入るための用具です。
普通に浴槽をまたぐときは、足全体を浴槽のフチより高く持ち上げなければ入れません。片足でしっかり体重を支えながら、もう片方の足を大きく持ち上げる、というかなりバランスの崩れやすい動作です。
浴槽ボードを使うと、まずボードに腰かけた状態で足先だけを浴槽の中に運べばよくなります。足を持ち上げる高さも、膝の高さ程度で済みます。

② どんな人にオススメか
膝が痛い方、股関節の動く範囲に制限がある方、そして片足を上げるとバランスを崩しやすい方に向いています。「またぐ」という動作そのものが体への負担や転倒の原因になっている方に、まず検討してほしい用具です。
③ 浴槽ボードの3つのタイプ
浴槽ボードは大きく分けて3つのタイプがあります。
① 跳ね上げタイプ
通常、浴槽ボードは浴槽に入るときに一度取り外す必要があります。跳ね上げタイプは、設置したままボードを跳ね上げることができ、そのまま浴槽の中に入れます。
毎回ボードを立てたり外したりするのが大変な方におすすめです。
② 回転タイプ
座面が回転する部分を持つタイプです。通常のボードの上を移動するときは、お尻を持ち上げてずらす動作が必要になりますが、回転タイプならお尻を動かさずに、座ったまま回転しながら足を浴槽に運べます。
お尻を浮かせて移動する動作が大変な方におすすめです。
③ 一般的なタイプ
手すりが付いた、浴槽の上に置くだけのシンプルなタイプです。浴槽に沈み込むときはボードを一旦立てかけ、浴槽から出るときに再び設置します。もっとも種類が多く、浴槽のサイズによって選べる商品が変わってきます。
| タイプ | 商品名 | 保険 | 重さ | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| 跳ね上げ | 安寿 バスボードH-S/H-L はねあげくん | 対象 | 約5.8kg〜 | ¥52,250(税込) |
| 回転 | バスベンリ レギュラーII | 対象 | 要確認 | ¥51,370 |
| 回転 | バスベンリ デラックスII | 対象 | 約4.5kg | ¥41,750(税込) |
| 一般 | 安寿 バスボードU-S/U-L | 対象 | 約3.4kg〜 | ¥36,300(税込)〜 |
| 一般 | パナソニック バスボードS/L | 対象 | 3.5〜3.9kg | 実勢¥15,000台〜 |
| 一般 | マキテック 浴槽ボードYS-3674 | 対象 | 約2.2kg | 実勢¥8,000円台〜 |
| 一般 | 島製作所 バスボード楽湯SP | 対象外 | 約2.5kg | 実勢¥8,000円台〜 |
| 一般 | 幸和製作所 浴槽ボードYB001 | 対象外 | 3.6kg | 実勢¥9,999円〜 |
④ 浴槽サイズで選ぶ「一般的なタイプ」対応表
一般的なタイプは、浴槽のサイズに一番左右されます。それぞれ設置できるサイズが決まっているので、まずご自宅の浴槽の内寸(フチの内側の幅)を測ってから選びましょう。
また、長方形の浴槽は安定感があります。フチにカーブが付いているタイプの浴槽は、より壁側に座れるので、足を動かすスペースを広く確保できます。
| メーカー/商品名 | 対応する浴槽内寸 | 重さ |
|---|---|---|
| アロン化成 安寿 バスボードU-S/U-L | 2サイズ展開(浴槽内寸に応じてU-S/U-Lを選択) | 約3.4kg〜 |
| パナソニック バスボードS | 33〜69cm | 3.5kg |
| パナソニック バスボードL | 43〜79cm | 3.9kg |
| マキテック 浴槽ボードYS-3674 | 44〜68cm | 約2.2kg |
⑤ 商品詳細
安寿 バスボードH-S/H-L はねあげくん
サイズはH-Sが幅76×奥行40×高さ15cm(重さ約5.8kg)、H-Lが幅82×奥行40×高さ15cm(重さ約5.9kg)で、浴槽のサイズに合わせて2種類から選べます。価格は47,500円(税込52,250円)。
座面から手を離すとゆっくり閉まる設計で、跳ね上げたボードの裏側は枕のような形状になっていて、浴槽に沈んだときの姿勢もサポートしてくれます。毎回ボードを立てたり外したりする手間がなく、自力で入浴される方も介助が必要な方も使いやすいタイプです。
こんな方に:ボードの脱着そのものが負担な方、毎日浴槽に入る方
バスベンリ デラックスII
サイズは幅35×奥行27×全高36cm、回転盤は直径27cm・浴槽縁からの高さ2cm。重さ約4.5kg、耐荷重80kg、価格は41,750円(税込)。置くだけで設置でき、不要なときは取り外せるタイプです。
座面がゆっくり回転してスムーズに浴槽へ入れます。回転盤がアルミ製で、浴槽の縁からの高さがあまり変わらないため、移乗がラクに行えます。介助者がいる場合は、介助スペースを確保しやすいのもポイントです。
こんな方に:介助者がいて介助スペースを確保したい方、使わないときは取り外しておきたい方
バスベンリ レギュラーII
回転盤サイズは直径27cm・浴槽縁からの高さ20mm、取付け可能な浴槽内寸は510〜650mm。価格は51,370円。浴槽のフチに常時設置する、コンパクトなタイプです。
少し浴槽のフチに腰掛ける程度で十分な方に向いています。デラックスIIより設置面積が小さく、常設しておきたい方に選ばれています。
こんな方に:常時設置しておきたい方、コンパクトなタイプを探している方
安寿 バスボードU-S/U-L
価格は33,000円(税込36,300円)〜。浴槽内寸に応じてU-S・U-Lの2サイズから選べます。足部分の取り付け調整が上面からできるため、裏返すなどの面倒な微調整が不要です。グリップの取り付け穴も2ヶ所あり、使いやすい位置に変えられます。
こんな方に:介護保険を利用してしっかりしたグリップ付きボードを選びたい方
パナソニック バスボードS/L
厚さ2.2cmの超薄型タイプ。Sは浴槽内寸33〜69cm・重さ3.5kg、Lは浴槽内寸43〜79cm・重さ3.9kgに対応しています。止め金具で浴槽の縁にしっかり固定でき、裏面のスライド式固定具で浴槽を傷めにくい設計です。
こんな方に:薄型でシンプルなボードを探している方
マキテック 浴槽ボードYS-3674
サイズは幅74×奥行36×高さ18cm、重さ約2.2kg、耐荷重100kg。取り付け可能な浴槽内寸は44〜68cmです。座る手前側が幅広く作られていて座位が安定しやすく、握りやすいブルーグリップと、水はけのよい排水穴も付いています。
こんな方に:軽さを重視したい方、コスパの良いボードを探している方
⑥ 介護保険対象外の商品
介護保険を使わずに、まず試してみたいという方向けの商品も2つ紹介します。
島製作所 バスボード楽湯SP
サイズは幅約70.5×奥行約31.5×高さ約19cm、重さ約2.5kg。対応する浴槽内寸は41〜63cmと、家庭用浴槽であれば幅広く使えます。耐荷重は150kgと高めです。
手すりの先が内側に向いた設計で、しっかり握りやすいのが特徴。軽量なので、介助者の負担も少なく済みます。
こんな方に:まずは介護保険を使わずに試したい方、軽さを重視したい方
幸和製作所 浴槽ボードYB001
サイズは幅73×奥行32×高さ21cm、重さ3.6kg、耐荷重100kg。4つのストッパーの位置が自由に動かせるので、フチが丸い形状の浴槽にも設置できます。
ストッパーレバー付きで、スライドからロックまで簡単に操作できます。握る部分がわかりやすいピンク色のグリップで、手が滑りにくい仕様です。
こんな方に:フチに丸みがある浴槽をお使いの方、価格を抑えたい方
まとめ
✔ 浴槽ボードは「またぐ」のがつらい方の負担をぐっと減らしてくれる用具
✔ 膝が痛い方、股関節に制限がある方、片足立ちでバランスを崩しやすい方におすすめ
✔ ボードの脱着が大変なら「跳ね上げタイプ」
✔ お尻を浮かせて移動するのが大変なら「回転タイプ」
✔ 一般的なタイプは浴槽のサイズに一番左右されるので、まず浴槽内寸を測ってから選ぶ
✔ まずは介護保険を使わず試したいなら、島製作所「楽湯SP」や幸和製作所「YB001」も選択肢
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