「まだ歩けるから、車いすは早い気がする」
「でも、立ち上がりや移る動作がだんだん怖くなってきた」
そんな気持ちを抱えながら、
無理を続けている方は少なくありません。
実は、介護やリハビリの現場では、
歩けるかどうかよりも、
「安全に移動できるかどうか」の方が重要とされています。
ベッドから立つ。
椅子や車に移動する。
トイレに座る。
この“移動する動作”がつらくなってきた時こそ、
環境や道具を見直すタイミングです。
この記事では、
・杖で対応できる場合
・歩行器が合う場合
・車いすを検討してよい場合
を分かりやすく整理していきます。
目次
こんな悩み、出てきていませんか?
- 立ち上がるときに、以前より怖さを感じる
- 椅子やベッド、車へ移動する動作がスムーズにいかない
- 介助してもらう側も、する側もつらくなってきた
- 「まだ歩けるのに、車いすは早い気がする」と迷っている
こうした悩みは、歩けなくなったから起きるのではありません。
多くの場合、「移動する動作」が先につらくなってきたサインです。
「歩ける」と「安全に移動できる」は別の話
介護やリハビリの現場では、
歩行能力と移動能力は別物として考えます。
- 数歩なら歩ける
- でも、立ち上がりや向きを変えるのが不安
- バランスを崩しやすくなった
この状態で無理を続けると、
- 転倒リスクが高まる
- 介助者の腰への負担が増える
- 外出や移動そのものを避けるようになる
という悪循環に入りやすくなります。
「まだ歩けるかどうか」よりも、
「安全に移動できるかどうか」を基準に考えることが大切です。
移動の選択肢は大きく3つあります
ここで一度、選択肢を整理しましょう。
① 杖で対応する
→ 歩行の安定を少し補いたい段階
② 歩行器を使う
→ 立てるが、移動する動作が不安な段階
③ 車いすを検討する
→ 移動距離や安全性を優先したい段階
どれが正解という話ではありません。
今の状態に合っているかどうかが一番重要です。
杖で対応できるのはこんな方
- 立ち上がりが少し不安な程度
- 支えがあれば歩ける
- 移動する動作自体は大きな問題がない
この段階であれば、
歩行を安定させるための杖が選択肢になります。
歩行器が向いているのはこんな方
次のような悩みがある場合は、
歩行器の出番です。
- 立てるけれど、向きを変えるのが怖い
- ベッド⇄トイレの移動が不安
- 介助者が抱え上げていて腰がつらい
- 転びそうで動作が遅くなっている
歩行器は、
杖よりも腕の力で移動する道具です。
体を持ち上げる・支える・方向転換を助けることで、
足の踏ん張りがきかなくなっても
歩くことができます。
👉 ▶ 歩行器・シルバーカーの選び方|立てるけど移るのが不安な方へ
車いすを検討してもいいサイン
「車いすは最後の手段」と思われがちですが、
実際はそうではありません。
次のようなサインが出てきたら、
車いすを選択肢に入れても問題ありません。
- 歩ける距離が極端に短くなった
- 外出や通院が負担になってきた
- 無理して歩くより、転倒の方が心配
- 移動に時間がかかり、生活の幅が狭まっている
車いすは「できなくなった証」ではなく、
生活を続けるための道具です。
使うことで、
- 外出できる
- 疲れにくくなる
- ケガのリスクが下がる
というメリットもたくさんあります。
👉 ▶ 車いすの選び方|まだ迷っている方へ
無理に我慢しなくて大丈夫です
「まだ大丈夫」
「もう少し頑張れる」
そう思って無理を続ける方ほど、
ある日突然、転倒や大きなケガにつながることがあります。
道具を使うことは、
衰えることではありません。
安全に、長く、今の生活を続けるための選択です。
迷ったら「今、一番つらい動作」から考えてみてください
- 歩くのが不安 → 杖
- 移動する動作が怖い → 歩行器
- 移動そのものが負担 → 車いす
一段飛ばして考える必要はありません。
今の困りごとに合った環境づくりから始めましょう。


コメント