私が【潰瘍性大腸炎】という難病について、ちゃんと知ったのは2022年。
青春時代から10年以上ずっと支えてくれたバンドのボーカルが脱退したことがきっかけでした。
脱退を発表した時の、ボーカルの声明文です☟
私は潰瘍性大腸炎という難病を患っています。
最初に発病したのは2019年夏です。その際は入院を経て一度は寛解期へと至りました。
しかし今年1月初頭に再検査した結果、再燃期と呼ばれている状態に戻ってしまいました。
おおむね治療は終えたのですが、寛解には至らず、通院しながら日常生活に差支えない日々を送っております。
この病気はいつ完治する、といったものではなく付き合っていくものです。
そんな中でボーカリストとして音楽活動を続けていくことは難しく、再燃したこのタイミングでバンドからの脱退を申し出ました。
これをきっかけに、私は潰瘍性大腸炎について調べるようになり、意識が向かうようになりました。
このブログでは、私が潰瘍性大腸炎について調べたことや、セミナーで聞いたこと、当事者の方が使用している介護用品などをご紹介しています。
潰瘍性大腸炎とは?
IBD(Inflammatory Bowel Disease=炎症性腸疾患)とは、通常、潰瘍性大腸炎とクローン病のことをさしています。
それぞれ、大腸及び小腸に認められる難治性の慢性の腸炎です。ともに、厚生労働省より難病に指定されています。
潰瘍性大腸炎)は、大腸の粘膜に炎症が起こり、ただれやえぐれができる原因不明の慢性炎症性疾患です。主に直腸から連続的に大腸全体へと炎症が広がる特徴があり、下痢や血便、腹痛、粘血便、発熱、貧血などの症状が現れます。
この病気は免疫の異常反応が関与していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。患者は再燃(症状が悪化する時期)と寛解(症状が落ち着く時期)を繰り返すことが多く、長期的な医学的管理が必要です。
潰瘍性大腸炎は厚生労働省の指定難病であり、日本国内の患者数は約22万人と推定されています。発症は20~30代の若年成人に多いですが、小児や高齢者にもみられます。
看護士の友人も、過去に何人か緊急で運ばれてきた方を見たそうですが、「あれはキツイよ」とこぼしていました。
直腸の炎症があると、便意を感じるとすぐにトイレに行かないと間に合わないという症状が起こります。(=便意切迫感)
下痢止めも効かないので、止める方法が無いのが現状です。
社会的問題
発症するのが20~30代が最も多く、人生で最も華やかな時期に治療しなければならないので、就学や就職に大きく影響が出る方が多いのも特徴です。
私がこの難病を知るきっかけになったバンドマンのボーカルも、発症したのは34歳の時。
大きくライブが無い期間がありました。
今思えば、その期間に入院や治療をされていたのかなと思います。ライブのツアーが始まれば、拘束される時間がかなり長くなります。それを思うと、続けられなかったのではないかと思います。
今は、自分の好きなように歌って、服を作って、釣りをしていて、とても生き生きと楽しそうに生きている姿を見て、脱退して良かったなと思っています。
同じ難病の方は、便漏れの経験をした方が多くおり、外出すること自体が怖い方も多くいます。
トイレに間に合うか心配になるので、知らない場所に出かける時は、どこにトイレがあるのか、すぐにトイレに行けるのか、徹底的に調べないと怖くて行けない。
電車は各駅停車しか乗れず、飛行機は離陸着の際にトイレに行けないので乗れない。新幹線はいつでもトイレに行けるので、何時間もかけて新幹線で行かれている方もいます。

「治療により、日常生活は問題なく送れている方が多い」と書いてある書籍もありましたが、私はそうは思えませんでした。
治療方法は?
潰瘍性大腸炎の治療は、主に「症状を抑えること」と「寛解(症状が治まった状態)を維持すること」を目的に行われます。現時点で完治させる治療法はありません。
薬物療法を中心に行います。
潰瘍性大腸炎の治療を受けるには、「消化器内科」を受診するのが一般的ですが、当事者の方から「IBDだと診断されていないと、下剤を処方されて終わることがある」とのことで、「炎症性腸疾患(IBD)外来」や「IBDセンター」といった専門外来・専門部署がある病院を受診することをオススメされていました。
下痢止めを飲んでも効果が無かったら、IBDだと疑っても良いかもしれません。
対策方法
便意切迫感という症状があるので、便漏れを防ぐ商品を使っている方が多くいます。
人によって使っているものは様々で、生理用ナプキンや紙パンツ、尿取りパッドなどを付けて凌いでいる、万が一の時の対策としている方も多くいます。
ストマと呼ばれるものが、なぜお腹に付けられているかというと、肛門付近は丸みを帯びており、袋状のものを張り付けることが出来ません。

なので、便を受け止める袋状のものは無いのです。袋状の商品があれば、どんだけ良かったか…。
ここでは、介護で使用している軟便パッドや軟便対策用の商品についてご紹介します。
軟便パッド
生理用ナプキンや、尿取りパッドは、経血や尿を吸収するには良いのですが、便にはどちらも対応していません。
便は固形なので、ナプキンやパッドに吸収される前に表面で根詰まりを起こします。根詰まりを起こすと、吸収されないので、表面で広がってしまい、漏れてしまいます。
そのため、軟便用パッドは表面が根詰まりしないように、工夫されています。

ただ、介護用の軟便パッドはいくつか種類があるのですが、ほとんどが大判で寝たきりの方用の商品です。
とても付けて歩くような商品ではありません。
ライフリー さわやかパッド軽い便モレ用
ライフリーのさわやかパッド軽い便モレ用は、長さ13cm、薄さ3mmと、かなり小さくて軽い便漏れ用パッドです。
下着に少量つく程度の軽い便もれに対応しており、正確に便モレ何g対応とは公表されていません。
男女共用の商品です。

これは本当にお守り変わりかなと思っています。一気に漏れてしまう方にはオススメできません。
リフレ 軟便モレを防ぐシート
リフレの軟便モレを防ぐシートは、一枚で使用することが出来ません。
必ず、何かの尿取りパッドと一緒に併用して使います。
軟便モレを防ぐシートが、茶こしの役割をします。
尿取りパッドは何でもいいので、自分の水分量に合わせて調整できます。
何gの便に対応とは正確に書かれておらず、軽度~中等度の軟便もれと記載されています。HPの実験では、100mlの疑似便が使用されていたので、100mlは対応できるのでしょう。

私は、この商品が結構好きで、よく軟便の方に紹介します。
値段もお手頃で、パッドは自分の好きなものを選べ、折りたためば小さくもでき、色々便利だからです。
薬局に置いてあるのは過去に一度しか見たことがありません(今はもう置いてありません)
アテント 軟便も安心パッド
軟便用パッドといえば、【アテント 軟便も安心パッド】です。これが一番有名。
これは茶こしの目がかなり粗いので、下に落とす量が多いのが特徴。
吸収効果も高い分、商品も高価です。
便が出ずに、尿だけ出てしまっても交換しなければなりません。その時が悔しいくらい勿体ない!
常時出てしまう方なら使うのに良いかもしれませんが、いつでるか分からないのに使用するのが勿体なくて、あまり普及していません。
私がこの業界に入った時からずっとある、不動のベストセラー商品です。
オススメの組み合わせ
私も色々な軟便用商品を試して実験してきました。
便は隙間に流れるため、あえて隙間やポケットを作って、そこに【溜める】方が上手くいくケースも多くありました。

けれど、それは寝たきりの方や、車いすの方に限ります。
歩かれる方にはどのような組み合わせがいいか、色々試したところ…
【布ホルダー】+【リフレ 軟便モレを防ぐシート】+【サルバ 自立支援パッドながめ】

布ホルダーは【ニシウラ ふわふわフィットパンツ】
フィット性の高い【オンリーワンケア 前後フリーパンツ うす型】と迷いましたが、排便後に重みが増してもズレにくかったのは、布ホルダーの方でした。
漏れが心配、量が多い方はオンリーワンの方がいいかも。
先ほど紹介した【リフレ 軟便モレを防ぐシート】を【サルバ 自立支援パッド ながめ】の上に敷きます。
これ、【ながめ】だけじゃなくて【ふつう】もあったんです…。すごく重宝してたのに、廃盤になってしまって、復活することをメーカーに訴えてます(笑)
この【サルバ 自立支援パッド ながめ】は、パンツ用パッドなのですが、ギャザーの高さが10cmと、他の商品に比べて圧倒的!防波堤が高ければ高いほど股漏れしにくくなります。

ぜひ、試してみてくださいっ!
まとめ
潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が起きる原因不明の難病で、下痢や血便、腹痛などの症状が出ます。完治は難しく、症状が悪くなったり落ち着いたりを繰り返します。特に便意切迫感や便漏れがあり、外出や生活に不安を感じる方も多いです。
治療は薬で症状を抑え、寛解を目指しますが、専門の病院での診療が大切です。日常生活では、軟便パッドなどの介護用品を使って便漏れ対策をすることが多いです。
この病気と向き合いながら、自分に合った工夫やサポートを見つけて、少しでも快適に過ごせるようになりますように…。
【IBDネットワーク】などもありますので、一人で悩まずに、仲間に相談してください
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