「床ずれ(褥瘡)対策には円座クッション」
そんなイメージがいまだに根強くあります。
でも、それは昔の知識のままストップしている可能性があります。
実は褥瘡ケアの最新の考え方では、円座クッションを使わずに治療・予防することが一般的になっています。
一部ではその理由が正しく伝わっておらず、誤解が残っているのが現状です。
この記事は、
「円座クッション=床ずれに良い」という誤解を正し、
正しい使い方と注意ポイントをお伝えするためのブログです。
※「100%ダメ」という意図ではなく、
“使い方を誤ると思わぬリスクがある”ということを知っていただきたい内容です。
目次
床ずれ(褥瘡)はなぜ起きる?
褥瘡は、
一定の部位に外力が長時間かかることで血流が止まり、皮膚・組織が壊死する状態です。
- 仙骨
- 尾骨
- 坐骨
- かかと
といった圧のかかる部位ほど起きやすく、高齢者・寝たきりの方に発生リスクが高いです。
大切なのは 圧を分散させること(「圧の軽減」)= 体圧分散です。
【外力】とは?
圧力がかかった状態で、摩擦が起こるなど、何らかの外からの力が加わる状態を表します。
なぜ「円座クッション=褥瘡予防」は誤解になったのか?
円座クッションは本来、
🟡 仙骨や尾骨の圧を逃がすために使われる
という目的があります。
しかし…
✔ それだけで圧が十分に逃げるわけではない
✔ 体重のかかる位置が限定されてしまう
✔ 広い面での体圧分散につながらない
という根本的な欠点があります。
つまり
円座クッションは、ある条件下では役立つことはあるが、
それが“褥瘡予防の王道”ではない
ということです。
実際、褥瘡研究の先進国では
「円座ではなく体圧分散マット・低反発・動的エアセル式マット」を使うことが主流です。

褥瘡ガイドラインでの見解(専門家の考え)
褥瘡対策のガイドライン(褥瘡学会・看護系ガイドライン など)でも、次のように言われています:
- 円座クッション単体で褥瘡を予防する根拠は弱い
- 圧分散を一方向に集中させる危険性
- 長時間使用すると別部位に問題が発生する可能性
そうした最新エビデンスがあり、
最近では円座クッションの使用は**“状況に応じた補助”**として扱われています。
※ 医療的に判断する場合は専門家(看護師・医師)に相談しましょう。
円座クッションが“役立つ時”と“注意すべき時”
✔ 役立つケース
- 一時的に尾骨に圧力がかかる状況
- 移動時間が短い時
- 座り直しがしやすい椅子・車椅子での使用
- 尾骨・仙骨の痛み緩和
→ **“補助的に使う”**なら価値があります。
⚠ 注意したいケース
- 長時間、ずっと座り続ける場合
- 広い範囲の体圧分散が必要な場合
- 褥瘡予防が最優先の高リスクの方
- 円座クッションだけに頼ってしまう
→ 上記は体圧分散マットや他のケアの方が適切です。
正しい褥瘡対策とは?
褥瘡予防・治療で大切なのは
✔ 圧を“面”で分散すること
✔ 定期的に体位を変えること
✔ 床ずれリスクを評価して計画を立てること
などであり、
円座クッションは “圧の逃がし方の1つのパーツ” という位置づけにすぎません。
体圧分散マットやクッション類と組み合わせて使うことで
最も効果が見込めるのです。
円座クッションを使う時のポイント
🔹 使う前に確認したいこと
✔ 長く座る時間
✔ 体位の安定性
✔ 他の補助具の使用(マット・座布団)
これらをふまえた上で、
“補助的”に使うとよいでしょう。
🔹 “使い方のNG例”
❌ 同じ部位に圧力を集中させる
❌ 体圧分散全体を意識しない
❌ 円座だけに頼る
これらは褥瘡予防では逆効果になり得ます。
褥瘡につながる別の注意点
✔ 皮膚の乾燥
✔ 体位変換の不足
✔ 湿度・栄養・血流の問題
褥瘡は1つの道具で解決できるものではなく、
生活全体でリスクを減らす配慮が必要です。
まとめ|円座クッションは「補助ツール」+注意して使おう
円座クッションは決して“悪い道具”ではありません。
ただ、万能だと思い込むのは危険です。
☑ 体圧分散の全体から考える
☑ 長時間の着座には向いていない
☑ ガイドラインに即したケアをする
ことが大切です。
正しい知識を知ることで、
無駄な不安・誤解を減らし、
快適な生活・ケアにつなげましょう。



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