―「履けない」「転びそう」を減らす選び方とおすすめ―
装具を付けて生活していると、
「普通の靴が履けない」
「左右でサイズが違って合わない」
「脱ぎ履きに時間がかかる」
といった悩みを感じる方が多くいます。
実際、福祉用具の現場でも
靴が合わないことで歩きにくくなり、転倒リスクが高まっているケースを何度も見てきました。
この記事では、
✔ 装具を付けていても履きやすい
✔ 調整しやすく、無理が少ない
✔ 室内・屋外どちらでも使いやすい
そんな視点で、本当におすすめできる靴・サンダルを紹介します。
目次
装具を付けている人が「靴選びで失敗しやすい理由」
装具を付けている方の靴選びが難しい理由は、大きく3つあります。
- 足の形・大きさが左右で違う
- 甲や足首が高くなり、靴に入りにくい
- 脱ぎ履きの動作そのものが負担になる
そのため、
「普通の靴を無理に履く」こと自体がリスクになる場合もあります。
装具対応の靴を選ぶときのポイント
① 大きく開く構造かどうか
装具を付けたままでも足が入りやすいよう、
ベルトで大きく開くタイプがおすすめです。
② フィット感を細かく調整できるか
左右差がある場合は、
ベルトの数が多く、締め具合を調整できる靴が安心です。
③ 用途に合った「重さ・形」
- 室内中心 → 軽くて脱ぎ履きしやすい
- 外出あり → かかとが安定し、転びにくい
使う場面を想像して選ぶことが大切です。
まず見てほしい|装具対応靴・サンダル比較
装具対応の靴は「名前だけ装具対応」と書かれていることもあり、
実際どれが合うのか迷いやすいものです。
まずは主要モデルの特徴を
読みやすい“縦並び比較”で確認してみましょう。
| 比較項目 | あゆみ Re-Life サポート02 | ムーンスター Vステップ05 | ムーンスター Vステップ06 | saisai ジャストフィットサンダル |
|---|---|---|---|---|
| 履き口の開き | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
| ベルト調整幅 | ◎(細かく調整可) | ◎ | △ | ◎ |
| 甲・幅の対応力 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
| 脱ぎ履きしやすさ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
| 歩きやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
この中でどれがいいかは、
・脱ぎ履きのしやすさを重視するか
・歩行の安定性を重視するか
で変わります。
迷ったら、まずは「脱ぎ履きのしやすさ」「調整幅」を
確認するのがコツです。
※装具対応靴は、サイズの測り方で履き心地が大きく変わります。
購入前に一度、こちらの記事で失敗しない測り方を確認しておくのがおすすめです。
→ 装具対応靴・サンダルの失敗しない測り方【男女共通】
【外出向け】しっかり歩きたい人におすすめの靴
あゆみ Re-Life サポート02(万能タイプ)
- 装具対応設計がいちばん完成度が高い
- 幅・甲・調整幅・安定感すべて◎
- 外出・屋内・歩行重視の人まで対応
- 装具が大きい・左右差がある人におすすめ
👉 専用靴としてしっかり歩きたい人向け
(安定性を重視したい方に特におすすめ)
片足約300gと、重いのが難点。
☟室内用だと少し軽い。
ムーンスター Vステップ05(初めての装具靴に◎)
- 比較的軽く、履きやすさ重視
- ベルト調整が標準で分かりやすい
- 「装具対応靴が初めて」という人の入門モデル
👉 初心者/軽度装具ユーザーにちょうど良い
3本もベルトがあると、脱ぎ履きが大変。
2本の方が楽。日常使いに。
ムーンスター Vステップ06
- ベルトを開くとベロが一緒に出てくるので
片手で操作しやすい。 - 中敷きを外せば4Eは5Eになり、見た目が変わらない。
- プラスチック製短下肢装具の方に。
👉 装具を付けて自立歩行をしっかりしたい方へ
【室内・短時間】サンダルタイプを探している人へ
saisai ジャストフィットサンダル(WG510/WG520)
- サンダルとしての軽さ・脱ぎ履きのしやすさが最大の魅力
- 室内や短距離のお出かけに最適
- 屋外長距離移動や不安定な路面は△
👉 室内中心+ちょっとしたお出かけ用
軽さ・快適さを重視する人向
私の中でかなりオススメなサンダルです。
色々な履き方が出来るので、カスタマイズできます。

☟脱ぎ履きが簡単な方
☟より足にフィットする方(ズレにくい)
サンダルと靴、どちらを選ぶべき?
- 安全性重視・外出あり → 靴タイプ
- 脱ぎ履き重視・室内中心 → サンダルタイプ
どちらが正解というより、
生活スタイルに合っているかどうかが一番大切です。
それでも迷ったときは
装具の種類や足の状態によって、
「おすすめ」が変わることも少なくありません。
- 装具の厚み
- 足首の可動域
- 歩行の安定性
こうした点によって、合う靴は変わります。
👉 「どれを選べばいいか分からない」という場合は、専門職に相談するのも一つの方法です。
まとめ
- 装具を付けている人は、普通の靴が合わないことが多い
- 脱ぎ履き・調整・安定感が重要
- 用途(室内/外出)に合わせて選ぶ
- 無理に履くより、合う靴を選ぶ方が安全
靴が変わるだけで、歩きやすさと安心感は大きく変わります。
その他の装具関係の介護用品
大きく開く防寒ブーツⅡ
- 雪道でも滑りにくく内側もボアで暖かい
- つま先まで開くので履きやすい
- 幅も7Eとゆったりしている。
👉 雪国+冬専用の靴
冬は冬らしいブーツも履きたい方に
快適 汗プロテクト
- マジック、装具の当たりから足を保護
- よく伸びるので履きやすい
- 足首から膝下なので靴下は好きなものを履ける
👉 装具のプロテクターとして
Vela(靴ベラ)
- 靴のかかとに挟み込むのでハンズフリー
- 立ち姿勢でも座った姿勢でも使える
- 小さいので持ち運びにも便利
👉 かかとを靴にねじ込むのが大変な方に
Mana’olana(マナオラナ)
**Mana’olana(マナオラナ)**は、
装具(短下肢装具・足関節装具など)を着けたままでも履きやすいように作られた、日本発のシューズ・サンダルブランドです。
特徴は、
- 装具を着けた足でも足入れしやすい設計
- 面ファスナー(マジックテープ)で調整幅が広い
- 左右でサイズ差があっても対応しやすい
- リハビリ・通院・外出など日常使いを前提にしたデザイン
福祉用具専門職や、実際に装具を使っている方の声をもとに作られており、
「装具があっても“普通の靴を履きたい”」というニーズに応えているブランドです。

装具対応の靴選びは、
「靴そのもの」だけでなく
・装具の種類
・左右差
・使う場面
で大きく変わります。
記事を読んでも迷う場合は、
無理に一人で決めず、ご相談ください。



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