シャワーイスには、座面が回転するタイプと、片手でワンタッチに開閉できるタイプという、少し特殊な機能を持ったものがあります。
種類が多いシャワーイスの中でも、この2つは「特定の悩みを解決するための機能」がはっきりしているタイプです。この記事では、それぞれどんな人に向いているのか、現場での考え方も交えて紹介します。
① 回転タイプとは
回転タイプは、座面が360度回転するシャワーイスです。麻痺がある方、普段は車いすで生活していて数歩なら歩ける方、そして浴槽が狭い方におすすめです。
「浴槽が狭いなら、コンパクトタイプの方がいいのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。
多くのご家庭では、シャワーに向き合う形でシャワーイスを最初から置いています。そうなると、座るときはイスの横や後ろを通って回り込まなければなりません。浴室のスペースはただでさえ限られているので、この「避けるように移動する」動作自体が転倒の危険につながります。
回転タイプなら、扉を開けてまずイスに座り、そのまま座った状態で体ごと回転させて、扉を閉める・シャワーに向き直る・浴槽に入りやすい向きに変える、ということができます。椅子を引いたり、身体を大きく動かしたりする必要がないので、狭い浴室ほどこの「動かなくていい」というメリットが活きてきます。
もちろんデメリットもあります。折りたたみができない、コンパクトタイプに比べてサイズが大きく重い、といった点です。ただ、置きっぱなしで使える環境の方であれば、回転タイプも選択肢の一つに入れてみてください。
② ワンタッチ折りたたみタイプとは
通常の折りたたみシャワーイスは、座面を持って折りたたむタイプや、背もたれと座面を両手で持って折りたたむタイプが主流です。ワンタッチ折りたたみタイプは、これとは違い、背もたれを持つだけで片手で折りたためるという仕組みになっています。
この違いが地味なようで、実はかなり重要です。座面を持って折りたたむ動作は、腰を曲げたりかがんだりする必要があります。これは腰が悪い方にとってはかなり負担の大きい動作です。また、両手を使って折りたたむ動作は、介助者が本人の体を支えながら行う場合、支えている手を離さなければならず、危険な行為になります。
ワンタッチ折りたたみタイプなら、かがまずに、片手で操作できます。腰痛がある方はもちろん、介助をする方にとっても安全に扱いやすいタイプです。価格は通常の折りたたみタイプより少し高めに設定されていますが、それだけの理由があります。
③ どんな人にオススメか
回転タイプがおすすめなのは、麻痺がある方、普段は車いすで生活していて数歩なら歩ける方、そして浴室が狭く、椅子の周りを回り込むスペースが取りにくい方です。
ワンタッチ折りたたみタイプがおすすめなのは、腰痛がある方、そして介助をする方です。特に、入浴介助中に本人を支えたまま片手で操作しなければならない場面が多い方には、大きな違いになります。
| タイプ | 商品名 | 保険 | 重さ | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| 回転 | パナソニック ユクリア ミドルSP回転おりたたみN | 対象 | 6.4kg | ¥44,330(税込) |
| 回転 | RAKU 360°回転シャワーチェア | 対象外 | 耐荷重約136kg/軽量 | ¥11,000円(税込)~ |
| ワンタッチ折りたたみ | 安寿 楽らく開閉シャワーベンチ Sフィット | 対象 | 約4.8kg | ¥41,800(税込) |
| ワンタッチ折りたたみ | パナソニック ユクリア ミドルワンタッチおりたたみN | 対象 | 3.9kg | ¥34,430(税込) |
① パナソニック シャワーチェア[ユクリア]ミドルSP回転おりたたみN
サイズは幅48.5~52×奥行48.5~57×高さ63~73cm(折りたたみ時奥行30×高さ87~97cm)、座面は幅41.5×奥行31.5cm、座面高は36~46cmまで6段階で調整できます。肘掛け内寸37.5cm、重さ6.4kg、耐荷重100kg。
座面が360度、45度ピッチで回転する標準機能に加え、折りたたみ・肘掛け跳ね上げ・ソフト座面・防カビ加工も備えています。希望小売価格は44,330円(税抜40,300円)。
こんな方に:介護保険を利用して回転タイプを導入したい方、機能を一通りしっかり備えた商品を探している方
② RAKU 360°回転 シャワーチェア
サイズは幅53.5×奥行42.5×高さ70~78cm、座面は幅40×奥行33cm・厚さ約3cmです。座面の高さは40cm・43cm・45cm・48cmの4段階で調整でき、ロック解除レバーを引き出すだけで座面を90度ずつ360度回転させられます。
フレームはアルミ合金製で、最高荷重は約136kg。体格のしっかりした方でも安心して使えます。座面はPE材質で滑り止め加工と水切り穴付き、肘掛けにも滑り止め加工が施されていて、左右への転倒リスクを軽減できます。組み立ても背もたれを差し込むだけとシンプルです。
介護保険対象外のため、保険適用を待たずにすぐ試したい方に向いています。
こんな方に:介護保険を利用せずすぐに回転タイプを試したい方、体格のしっかりした方、組み立ての手軽さを重視したい方
③ 安寿 楽らく開閉シャワーベンチ Sフィット
サイズは幅46×奥行48~53×高さ71~83cm(座面までの高さ36~48cm)、折りたたみ時は幅46×奥行16×高さ83.5~96.5cmとかなり薄くなります。重さは約4.8kg、耐荷重100kg。価格は38,000円(税込41,800円)で、レッド・ブルー・グリーンの3色があります。
開くときは背もたれ上面を軽く押すだけ、たたむときは背もたれ背面のレバーを引くだけのワンアクション。握力の弱い方でも操作しやすく、壁際に置いている場合でも無理なく開閉できます。座面高さは最大48cmまで調整でき、ソフトパッドを反転させれば背もたれの角度も変えられます。
こんな方に:腰痛がある方、介助中に片手がふさがっている方、開閉のしやすさを重視したい方
④ パナソニック シャワーチェア[ユクリア]ミドルワンタッチおりたたみN
座面は幅41.5×奥行31.5cm、重さ3.9kgと、ワンタッチ折りたたみタイプの中では軽めです。耐荷重100kg、価格は34,430円(税込)。カラーはブルー・オレンジ・モカブラウンの3色から選べます。
腰を曲げずに片手で開閉できる伸縮ジョイント構造で、抗カビ加工(SIAA)も施されています。
こんな方に:軽さと価格のバランスを重視したい方、ワンタッチ開閉を初めて試す方
💬 専門員のひとこと
回転タイプもワンタッチ折りたたみタイプも、共通しているのは「体を大きく動かさなくていい」という点です。浴室は狭くて滑りやすい、転倒の危険が一番高い場所のひとつです。動きを最小限にできる工夫は、見た目以上に安全性に直結します。
まとめ
✔ 回転タイプは、麻痺がある方・車いす生活で数歩歩ける方・浴室が狭い方におすすめ
✔ 回転タイプが狭い浴室に向いている理由は「体を動かさずに向きを変えられる」から
✔ ワンタッチ折りたたみタイプは、腰痛がある方・介助する方におすすめ
✔ 介護保険を使うなら「パナソニック ユクリアミドルSP回転」「安寿 楽らく開閉Sフィット」「パナソニック ユクリアミドルワンタッチ」
✔ 保険を待たずすぐ試したいなら「RAKU 360°回転シャワーチェア」
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