おむつを外してしまう。
パッドを取ってしまう。
排せつ物を触ってしまう。
そんな行動に、戸惑いやショックを感じたことはありませんか?
「どうしてこんなことをするの?」
「注意しても、また繰り返してしまう…」
介護の現場でも、ご家族の介護でも、
とても多い悩みのひとつです。
でも、これらの行動は
“わざと”でも、“異常”でもありません。
この記事を読むことで、
✔ なぜこのような行動が起きるのか
✔ まず見直すべきポイントは何か
✔ 現場で実際に効果のある対策(環境・道具)は何か
を理解できます。
実際に私が見てきた具体例も交えて、
「つらい体験を少しでもラクにする知識と選択肢」 をお伝えします。
▶︎ 同じ悩みで困っている方へ
「介護用品の選び方まとめ」も参考にどうぞ
目次
なぜおむつを取る行動が起きるのか|よくある背景
おむつを取る、
パッドを外す、
排せつ物を触ってしまう行動には、必ず背景があります。
決して「わざと困らせている」わけではありません。
ここでは、現場で特に多い理由を
分かりやすく整理してお伝えします。
不快感があるが、うまく伝えられない
一番多い理由が、不快感です。
・蒸れる
・濡れている感じがする
・ずれている
・締めつけが気になる
本来であれば
「気持ち悪い」「替えてほしい」と言えることでも、
認知症や体調の変化により、言葉で伝えられなくなることがあります。
その結果、
自分で何とかしようとして
おむつやパッドを外してしまうのです。
排せつの感覚が変わってきている
年齢や病気の影響で、
排せつのタイミングや感覚が変わることがあります。
・出たことが分からない
・逆に、違和感だけが残る
・出ていないのに出た気がする
この「感覚のズレ」が、
おむつを気にして触ってしまう行動につながることがあります。
「これは何だろう?」という確認行動
認知症の進行により、
おむつや排せつ物を異物として認識してしまうことがあります。
「これは何だろう?」
「取った方がいいものなのかな?」
そう思って、
無意識に触ったり外したりしてしまうケースも少なくありません。
これは悪意のない確認行動です。
環境の変化や不安・落ち着かなさ
・入院や退院
・部屋の模様替え
・介護する人が変わった
こうした環境の変化は、
本人にとって大きなストレスになることがあります。
不安や落ち着かなさが強くなると、
体に意識が向きやすくなり、
おむつを触る行動につながることがあります。
暇・手持ち無沙汰になっている
意外と見落とされがちですが、
手が暇な時間に起こることも多いです。
・ベッドで過ごす時間が長い
・テレビを見ていない
・刺激が少ない
こうした状態が続くと、
無意識に手が体に向かい、
おむつやパッドを触ってしまうことがあります。
おむついじりは、
本人なりの理由やサインが形になった行動です。
だからこそ、
「やめさせる」よりも
「理由を探る」ことが、対策の第一歩になります。
次の章では、
こうした背景を踏まえたうえで、
今すぐできる現代的な対策を具体的にご紹介します。
今すぐできる対策|おむついじりを減らす工夫
おむつを取る・触る行動は、
理由が分かれば、対策も見えてきます。
ここでは、
✔ 家族の負担を減らし
✔ 本人の不快感も減らす
現場で実際に効果が出やすい方法を紹介します。
まず見直したいのは「おむつ・パッドの選び方」
一番最初に見直してほしいのが、
サイズ・吸収量・当て方です。
・サイズが合っていない
・吸収量が少なくてベタベタする
・肌触りが合っていない
こうした違和感は、
おむつを触る原因になりやすいです。
「漏れが心配だから大きめ・厚め」は、
逆に不快感を増やすことも多いです。
▶ 日中・夜間で種類を変える
▶ パッドを重ねない
この2点だけでも、行動が減ることがあります。
トイレや交換のタイミングを見直す
排せつの感覚が変わっている場合、
交換やトイレ誘導のタイミングが合っていないことがあります。
・決まった時間での声かけ
・少し早めの交換
・「出てから」ではなく「出そうな時間」に対応
これだけで
「気になる時間」が減るケースもあります。
理想は濡れた直後に交換することですが、
それには排泄をできるだけ早く感知する仕組みが役に立ちます。
そこで便利なのが「おむつセンサー」「尿センサー」です。
服の工夫で「触れない環境」を作る
意外と効果が高いのが、衣類の工夫です。
・つなぎ服
・ミトン
・腹巻きやカバーで手が入りにくくする
「触れない」=「ダメ」ではなく、
自然と触れにくい環境を作ることがポイントです。
本人のプライドを傷つけにくく、
家族のストレスも減りやすい方法です。
こうした場合は、
後ろ開きの服やつなぎ服を使うことで、
ご本人が無意識に触ってしまう状況を減らせることがあります。
【注意事項】
介護における身体拘束とは、
行動の自由を制限する行為全般を指し、
生命や身体を保護するため緊急やむを得ない場合以外、
原則として禁止されています。
手が暇にならない工夫をする
手持ち無沙汰な時間が多いと、
無意識におむつへ手が伸びやすくなります。
・タオルを握る
・クッションやぬいぐるみ
・リモコン操作、簡単な作業
「何かを持つ」「触る対象を変える」ことで、
行動が自然と減ることがあります。
認知症の方の落ち着かない手を優しく温め、
安心感を与えるために使われる
筒状のニット製品のことを認知症マフといいます。
チャックやリボンなど
ついつい触ってしまうものが
付いているので、
気持ちが落ち着くといわれています。
それでも難しいときは、相談して良い
いろいろ試しても難しい場合、
一人で抱え込む必要はありません。
・ケアマネジャー
・訪問看護師
・福祉用具専門相談員
現場を知っている人に相談すると、
本人に合った用品や環境調整の提案が受けられます。
「こんなことで相談していいのかな?」
と思う内容ほど、実はよくある悩みです。
おむついじりは、
本人の困りごとの表れです。
「やめさせる」より
「原因を減らす」ことで、
本人も家族も、少し楽になります。
現場で見た実例|この対策が効いた/効かなかった例
在宅で介護をされているご家族から、
「夜中に何度もおむつを触ってしまう」
「パッドを触ってズラすから漏れてしまう」
という相談を受けたことがあります。
ご本人は認知症があり、
日中はデイサービスに行って穏やかですが、
夕方早くに寝てしまうので夜中に起き、
同じ行動を繰り返していました。
家族は、
・おむつを変えてみる
・服を工夫してみる
・おむつ交換のタイミングを変えてみる
など、できることは一通り試していました。
それでも状況はすぐには変わらず、
「自分たちの対応が悪いのではないか」
と強く自分を責めておられました。
このケースも、
何か一つの対策で、すぐに解決したわけではありません。
環境や時間帯、体調の波を確認しながら、
少しずつ負担を減らす方法を一緒に探していきました。
このご家族にお伝えしたのは、
「繰り返す=失敗ではない」ということでした。
この行動は、
わざと困らせようとしているのではなく、
本人なりの理由や不快感が
うまく言葉にできず、行動として出ている可能性が高いからです。
対策をしても、
すぐに行動がなくならないことは珍しくありません。
では、それでも繰り返すとき、
どんな視点で考えていけばいいのでしょうか。
対策しても繰り返すときに見るべきポイント
いくつもの対策を試しても、
パッドを取る・触ってしまう行動が繰り返されると、
「自分の対応が悪いのでは」と感じてしまう方も多いです。
ですが、これは努力が足りないから起きているわけではありません。
その時期のご本人の状態によっては、
行動を止めること自体が難しくなることがあります。
認知機能の変化や、
排せつに対する感覚の変化、
不快感をうまく伝えられないもどかしさが、
行動として表れている場合も少なくありません。
こうした状態が続くときは、
家族だけで抱え込まず、
ケアマネジャーや主治医、訪問看護、
福祉用具専門相談員などに相談することも大切です。
「対策が必要な段階」ではなく、
「支援を調整する段階」に入っているサインかもしれません。
一人で抱え込まなくて大丈夫です
もし、
「何を試しても繰り返してしまう」
「家族だけではもう限界かもしれない」
そう感じているなら、一度ご相談ください。
介護の現場では、
おむつやパッドだけで解決しようとせず、
体の状態や生活リズム、環境を含めて
一緒に見直すことが大切な場合もあります。
介護用品選びの無料相談では、
無理に商品をすすめることはありません。
「今の状況で、何が考えられるか」を
整理するお手伝いをしています。
こうした行動は、
排せつだけでなく、日常の動作全体と結びついていることもあります。
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歩行や体の支えの対策も効果的です。
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