
福祉用具専門相談員として、次のステップアップをしたいが、何か良い資格はあるだろうか?
私は2025年で福祉用具専門相談員として働いて13年目になります。
(え、もう13年目…)
この13年で、色々な資格を取ってきましたが、取って良かった資格と、正直あまり役立たなかった資格があります。
その中でも、介護職員初任者研修(以後、初任者研修)は取って良かったと思ったので、働きながら取った方法や、どのように活かされているのか、研修の内容や、受けた場所などをご紹介しています。

【読んでほしい方】
福祉用具専門相談員として働いていてもっとスキルアップしたい方、新しい分野を勉強してみたい方、初任者研修を働きながら取りたい方、初任者研修を取りたいと思っている方
今、持っている資格
現在、持っている資格です。
福祉用具専門相談員/福祉用具プランナー/おむつフィッター1級/コンチネンスメイト/認知症ケア専門士/初任者研修/リフトリーダー
この中で、取らなくて良かったなと思うのは、【認知症ケア専門士】です(笑)
取る前に色んな人に「無駄だよ」と言われたのですが、その反対を押し切って取得。
その通りでした。先人の言葉は聞くもんですね。
あとの資格は何かしらためになったので、気になる方はぜひ取ってみてください!

2013年4月の制度変更により「ホームヘルパー2級」は「介護職員初任者研修」へと名称と内容が変更されました。
初任者研修を取ろうと思ったきっかけ
私が、初任者研修を取ろうと思ったきっかけですが、介護士として働きたいわけではなく、福祉用具のスキルアップのために取得しました。
福祉用具専門相談員は、利用者に合わせて福祉用具を選定する仕事ですが、利用者様の身体に合わせて【調整】しないと、その福祉用具の効果を120%発揮させることは出来ません。
宝の持ち腐れになるわけです。
納品して「はい、終わり」ではなく、身体に合わせて調整し、使う人に使い方をしっかりと伝えて、正しく使えるようにするまでが仕事です。
例えば、車いすの選定があったとしましょう。
車いすを利用者様の身体に合わせて調整するためには、まず、きちんと車いすに座ってもらわなければなりません。
ベッドから車いすに移ってもらうのに介助(人の手)が必要な方だと、今までの私は家族にお願いしたり、他の介護サービスが入っている時に訪問していました。
ご家族様ではきちんと座れていない時もあり、でも自分で座り直しをするための知識も技術もない。
時間単位で決められている他サービスの時間に訪問するのは、サービスの時間を奪ってしまうことになる。
それが歯がゆくて、自分でできるようになりたいと思い資格を取得しました。


以前、「福祉用具専門相談員は利用者の身体に触れてはいけない」というツイートを見て『そうなのか』と思い込んでいましたが、実際にはそのような法律はありません。選定の時には必ずお身体に触れますし、むしろ必要なスキルだと思います。
初任者研修取っただけでは意味ない
いきなり言いますが、初任者研修取っただけじゃ意味ない!笑
なんだそれ!という感じですが、福祉用具専門相談員の資格と一緒ですね。基礎知識は身に付くが、技術やそれ以上のことは、実際に働かないと身に付かない。
今は、身体介護をするために初心者研修の資格が必須になりました。
私は資格を取得した後、有料老人ホームに併用されている訪問介護で1年働き、色々なことを学びました。
(本業で福祉用具専門相談員しながらの副業です)
正直、めっちゃキツかった…!!週5で福祉用具、週1で介護士です。
でも、本当にやって良かったと思っています。
排泄介助、入浴介助、移乗介助、食事介助、移動介助、一通り学びました。
介護士さん目線でも利用者さんを見れるようになりましたし、以前は分からなかった介護士さんの気持ちも分かるようになりました。
(10年一緒に働いても、職業が違うと全く気持ち分からないもんなんです)
受け入れてくれた施設、会社には本当に感謝しています。
(その会社の訪問リハビリや訪問看護、ケアマネさんと現場で会うと嬉しくなります。全然知らない方ですけど(笑))

体力的にキツイです。今日が一番若い日、「やってみようかな」と思う人はすぐに申し込みしてください!
働きながらの資格取得
私が初任者研修を受けた会社は【土屋ケアカレッジ】というところです。

土日のどちらか週1でやっているところ、通える範囲のところに教室があるところ、金額が安いところで探しました!
土屋ケアカレッジは、毎週日曜日、全部で13回、伏見駅から歩いて行けるところに教室があり(名古屋駅と伏見駅のちょうど真ん中辺りです)、金額も29,000円とかなり安い!

40,000円~50,000円のところが多かったです。29,000円は最安値かと。
1日の時間はだいたい9:00~18:00と、ガッツリでした。
受講者の人数は15人(定員)でしたのでちょうど良かったです。最後には全員と仲良くなれていました。
(最終日には希望者だけで飲みに行きました(笑))
男女で2列に分かれるので、実技などは男女に分かれて行います。
(丁度女8人、男7人でした)

約3ヶ月間、毎週教室があったのでハードでしたが、内容はとても面白く、メンバーもとても良かったので、私はあまり苦にならずに、毎週楽しく通うことができました。
一番遠い人で、三重の桑名から毎朝高速バスで通っている人もいました(6時出発とか)
1日でも休んでしまうと資格を取得できませんが、先生が優しい方で、全員一緒に卒業できるようにと、他の日に振り替えて受講できるよう提案してくれます。
土屋ケアカレッジは、初任者研修と実務者研修(初任者研修の次のスキルアップ先)を一緒に申し込みすると金額がさらに安くなります。卒業する前に、申し込みしても割引を適応してくれるようでした!!一緒に受けた人で、5人ほど実務者研修も申し込みしていました(私はバイトしたかったので見送りました)

働きながらでも、何とかなります!
講師の先生が仰っていたことですが、介護士として、一通りの現場(デイサービス、施設、病院、在宅など)でやられてきて思ったことは、在宅で障害のある方の夜勤見守りが一番給与が良いとのことでした(こんな情報も得られます)
初任者研修の内容
初任者研修で学ぶ内容ですが、これはカリキュラムとして決まっているので全国共通です。

- 職務の理解:介護職の役割、仕事内容、職場環境、施設・サービスの種類など。
- 介護における尊厳の保持・自立支援:利用者の人権や自立支援、虐待防止や倫理観。
- 介護の基本:職業倫理、安全管理、リスクマネジメント、働くうえでの基本姿勢。
- 介護・福祉サービスの理解と医療との連携:介護保険、福祉制度、医療職種との連携。
- コミュニケーション技術:利用者や家族、他職員との信頼関係の築き方と情報共有。
- 老化の理解:加齢や疾患による心身の変化とケアの基礎。
- 認知症の理解:認知症の基礎知識、症状、接し方・ケアの方法。
- 障害の理解:障害者への支援、家族への配慮、心理的特性。
- こころとからだのしくみと生活支援技術:介護技術の理論と実技(食事・入浴・排泄・移乗・着替え・ベッドメイキング等)、福祉用具(車いす・杖)の使い方など
【こころとからだのしくみと生活支援技術】は実技になります。
・食事は、自分のお弁当を使って受講者同士お互いに食べさせあったり、飲みこみしやすい角度を確認しながら学びました。
・入浴は、簡易浴槽があるので、福祉用具(浴槽手すりやシャワーイス)を使って、浴槽の跨ぎ動作の介助方法や、シャワーイスからの立ち上がらせ方法を学びました。
・排泄は、パンツ型紙おむつとテープ型紙おむつの交換方法を、利用者様のお部屋に入るところから学びました。
・移乗は、全介助の方をベッドから車いす、車いすからベッドに移すやり方を学びました。
・着替えは、寝巻きを着させる方法と、脱がす方法を学びました。
・ベッドメイキングは、マットレスにボックスシーツをかける方法を学びました。
その他にも、車いすに乗る人と押す人を交互に行い、実際に外で段差やスロープの体験をしました。(案外怖い)
最初は座学の時間が圧倒的に多かったのですが、ディスカッションも時々あり、先生もユーモアたっぷりで、現場の生の声を入り混じりながら話してくださったので、とても勉強になりました。
(高校生の子は眠かったようで毎回モンスター2本くらい飲んでました(笑))
基本的な介助動作は一通り学びます。これが現場に生かせれるかというと、着替えの方法も利用者様の身体の可動域や麻痺の具合によって様々なので、教わったやり方そのままで出来た方はいませんでしたが、基礎が分かっているので後は応用するだけでした。

この応用がめちゃくちゃ難しいんですけどね。最初に着替え介助で入った利用者様、勝手が違いすぎて20分くらいかかってしまいました。必死すぎて汗だくです。
どんな人が受講してた?
私が受講した回の人たちの参加目的は様々でした。
- 介護士をやりたくて(私のように)
- 今は働いておらず(又は全く関係ない職種)何か資格をと思って
- 親の介護をしており、その助けになるのではないかと
- 親が介護系の会社をやっており、人数合わせのため
- 会社を立ち上げるため
介護に関して知識が全くない方が大半でしたので、そこは楽に受講できました。
(もしかしたら私が一番あったのではないか)
福祉用具専門相談員として活かせられたこと
初任者研修を取って福祉用具専門相談員として活かせられたことは、一番は納品がスムーズに行えるようになったことです。
車いすを納品するとき、利用者さんを自分でベッドから車いすに移乗することができ、しっかりと奥深くまで座ってもらえます。そのため、調整がきちんと出来るようになりました。
体位変換器(ポジショニングクッション)を交換しに行ったときに、施設スタッフさんが忙しくて対応できない時でも、古いクッションを抜いて、新しいクッションを設置することができるようになりました。
(お任せした方が良い場合は、介護士さんにお任せしています)
時間も自分と利用者様の都合の良い時に訪問出来るので、早く納品できるようになりました。
私はおむつの選定や提案、講師なども行っているのですが、今まで机上の空論だったおむつ交換の介助が、実際に自分で出来るようになったことで話に説得力が出てきました。
今まで理解できなかった介護士さんの話も分かるようになったので、介護士側に立って話すことができるようになったと思います。
(介護士さんって、福祉用具専門相談員が思っている50倍は忙しい)
すべての利用者さんに、介護士やリハビリが入っていたら、介助の知識や技術を学ばなくても何とかなるのかもしれませんが、そうでない方も多くいらっしゃいます。その場合、やらなければならないのは福祉用具専門相談員です。福祉用具の効果を120%出すために、介助技術を取得するのは必要だと思いました。
(この理論でいえば、次に学ばなければならないのはリハビリですが、それは一旦置いときましょう…。)

最高の福祉用具専門相談員を一緒に目指しましょう!
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