あなたに知ってほしい話があります。
あるバンドマンのボーカルが、
活動の現役真っ最中でありながら、
ある日突然バンドを脱退しました。
理由は「潰瘍性大腸炎」という病気でした。
腸の不調は誰にでもあることだと思っていた――
ですが、彼の症状は
▶ 下痢止めがまったく効かない
▶ 腹痛・出血が続く
▶ 日常動作すら困難になる
そんな状況まで進行していたのです。
この文章は、
「もしあなたやあなたの大切な人が下痢止めで止まらないとき」
という観点から、
潰瘍性大腸炎という難病を知ってほしいという思いで書きました。
▼脱退を発表した時の、ボーカルの声明文です
私は潰瘍性大腸炎という難病を患っています。
最初に発病したのは2019年夏です。その際は入院を経て一度は寛解期へと至りました。
しかし今年1月初頭に再検査した結果、再燃期と呼ばれている状態に戻ってしまいました。
おおむね治療は終えたのですが、寛解には至らず、通院しながら日常生活に差支えない日々を送っております。
この病気はいつ完治する、といったものではなく付き合っていくものです。
そんな中でボーカリストとして音楽活動を続けていくことは難しく、再燃したこのタイミングでバンドからの脱退を申し出ました。
目次
潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、
大腸の内壁に炎症が起きて潰瘍(ただれ)ができる慢性の難病です。
原因はまだ完全には解明されていませんが、
免疫の異常反応や遺伝・環境因子が関与するとされます。
主な症状:
- 下痢、血便
- 腹痛・痙攣
- 便意の切迫感
- 体重減少・倦怠感
これらは日常生活に大きな影響を及ぼし、
「ただの下痢」と思って放置すると、重症化のリスクがあります。
「下痢止めで止まらない」って危険サイン?
下痢止めは通常、
風邪や軽い消化不良の下痢には効果があります。
しかし…
✔ 下痢止めを飲んでも止まらない
✔ 血が混じる
✔ 痛みが強い
✔ 便の回数が明らかに多い
こういった場合は、
潰瘍性大腸炎や他の消化器疾患を疑うべきサインです。
病気が進行すると、
✔ 貧血
✔ 体重減少
✔ 脱水
✔ 就業・生活の制限
につながる可能性があります。
なぜ潰瘍性大腸炎は見逃されやすいのか?
潰瘍性大腸炎が見逃されやすい理由はいくつかあります:
✔ 症状が風邪や普通の下痢と似ている
✔ 便に血が混じっても「痔」と間違う
✔ 病院に行くタイミングが遅れる
✔ 検査までたどり着けない
結果として、
「ただの下痢」と思って放置したまま悪化してしまう人が少なくありません。
どうやって診断されるの?
潰瘍性大腸炎の診断は、医療機関で以下のような検査を行います:
- 血液検査
- 便検査
- 大腸内視鏡検査
特に内視鏡検査は
炎症の程度・潰瘍の有無を直接観察できるため、
診断・治療方針決定に非常に重要です。
不安がある場合は、
まずは消化器内科の受診をおすすめします。
潰瘍性大腸炎が生活に与える影響
潰瘍性大腸炎は疾患自体が辛いだけでなく、
- 食事の制限
- 外出・仕事への不安
- 痛み・下痢の不安
- メンタルへの影響
など、生活の質(QOL)にも大きな影響を与えることがあります。
特に仕事・活動の継続が困難になり、
バンド・仕事・家事…を続けるのが難しくなる人もいます。
潰瘍性大腸炎では、突然の下痢や軟便が続くことで、
外出や仕事、人前に出ること自体が大きなストレスになることもあります。
「おむつしか選択肢がないのでは…」と悩む方も少なくありませんが、
実はおむつ以外にも、症状や生活スタイルに合わせた対策があります。
▶ 潰瘍性大腸炎で軟便が続く方へ|
おむつ以外の選択肢「軟便パッド」という対策
治療の基本(知っておきたいこと)
潰瘍性大腸炎は現在、完治する病気ではありません。
しかし、適切な治療と生活の工夫で 症状のコントロールが可能です。
主な治療:
- 抗炎症薬
- 免疫調整薬
- 栄養療法
- 重症例では手術
病状に応じて薬や生活習慣を組み合わせ、
症状を和らげることを目指します。
あなたやあなたの周りの人ができること
もし
✔ 毎日下痢が続く
✔ 血便がある
✔ 痛みが強い
✔ 生活に支障が出ている
という場合は、
自己判断せず医療機関へ相談することが第一です。
また、日常の介護・支援者としてできることは:
✔ 食事・水分のバランス管理
✔ 症状の記録・受診時の情報整理
✔ 無理せず休息・移動の配慮
✔ 周囲の理解とサポート
です。
潰瘍性大腸炎を正しく理解することの意味
潰瘍性大腸炎は、
「ただの下痢ではない」ことを理解することが、
早期発見・早期治療につながる第一歩です。
また、当事者・家族・支援者が
正しい知識を持つことで
励まし合い、適切な選択をすることができます。
まとめ
潰瘍性大腸炎は指定難病でありながら
情報が少なく、孤独になりがちです。
なので、ひとりで抱え込まないでください。
1人でも多くの人がこの病気のことを知って、
助け合える世界になればと思います。
バンドマンの物語が示すように、
人生の道が変わることもあります。
でも、あなたの人生はそれだけではありません。
【IBDネットワーク】などもありますので、一人で悩まずに、仲間に相談してください



コメント